ウォークインクローゼットは、衣類や小物をすっきり収納できるだけでなく、見やすさと取り出しやすさに優れた、人気の収納スペースです。
しかし「普通のクローゼットと何が違うの?」「ウォークスルークローゼットって何?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ウォークインクローゼットの基本的な定義や種類、注目される理由、さらにはおすすめの設置場所まで、わかりやすく解説します。
ウォークインクローゼットとは
ウォークインクローゼットとは、人が中に入って歩ける広さを持つ収納スペースを指します。間取り図では「WIC」と表記されることが一般的です。
衣類だけでなく、バッグやアクセサリー、さらにはスーツケースや季節家電といった大きなものまで、多様なアイテムをまとめて収納できる点が大きな特徴です。荷物がほかの部屋に散らかりにくく、住まい全体をすっきりと保ちやすいため、スタイリッシュな空間づくりを目指す方から人気を集めています。
収納だけでなく、着替えスペースとして使ったり、趣味のコレクションをディスプレイしたりと、多目的に活用できる点もウォークインクローゼットの魅力です。
ウォークインクローゼットとほかのクローゼットの違い
ウォークインクローゼットとほかのクローゼットには、それぞれ明確な違いがあります。ここでは、ウォークインクローゼットとほかのクローゼットの違いについて解説します。
ウォークスルークローゼットとの違い
ウォークスルークローゼットは、ウォークインクローゼットと同じく人が中を歩ける広さがあります。最大の違いは、ウォークスルークローゼットには2か所以上の出入り口が設けられており、通り抜けできる点です。
収納スペースであると同時に、部屋と部屋をつなぐ「通路」としての役割も兼ね備えており、たとえば寝室と洗面脱衣所の間や、玄関とリビングの間などに配置することで、生活動線や家事動線をスムーズにできます。
どちらを選ぶかは、家全体の間取りのバランスや重視したい動線によって決めるのがおすすめです。
クローゼットとの違い
クローゼットとウォークインクローゼットの大きな違いは「人が中に入れる広さがあるかどうか」です。クローゼットは、主に衣類の収納を目的としており、奥行きは50cm〜60cm程度が一般的です。
一方、ウォークインクローゼットは人が中に入って歩き回れるスペースがあり、衣類を選んだり着替えたりと、収納だけでなく作業スペースとしても活用できます。広さの目安としては、使用する人数=畳数が目安になります。
収納できるアイテムの種類も豊富で、衣類だけでなくバッグや帽子、スーツケース、季節家電といったものまで収納可能です。クローゼットが収納に特化しているのに対し、ウォークインクローゼットは収納と作業も可能な機能性が特徴といえるでしょう。
ウォークインクローゼットのレイアウト
ウォークインクローゼットを快適かつ効率的に使うためには、レイアウト選びが重要です。収納量や使いやすさは、レイアウトによって大きく左右されます。ここでは、代表的な4つのレイアウトについて、それぞれの特徴やメリットを解説します。
I型
I型レイアウトのウォークインクローゼットは、片側の壁一面のみにハンガーパイプや棚を設置するシンプルな形状が特徴です。比較的狭いスペースでも設置しやすく、収納物を一目で把握しやすいのがメリットです。また、物の出し入れもスムーズに行えるため、使い勝手にも優れています。
また、構造がシンプルなため、棚を追加したり収納ボックスを配置したりと、DIYによるカスタマイズの自由度が高いのも魅力です。
収納量は他のレイアウトに比べると少なめですが、衣類や持ち物が多くない方や、ほかにも収納スペースが確保されている住まいに適しています。
L型

L型レイアウトのウォークインクローゼットは、隣り合う2つの壁面を利用して、L字型にハンガーパイプや棚を配置する形状です。I型よりも収納スペースを多く確保できる一方で、比較的コンパクトな空間にも設置しやすいのが強みです。
広さの目安は、正方形に近い2畳程度のスペースがあれば、効率的に収納力を高められます。片方の壁面をハンガーパイプ中心にし、もう片方を棚や引き出し収納にするなど、用途に応じた使い分けがしやすいのも特徴です。
収納量が足りないと感じつつも、住居内でI型レイアウトの設置スペースを確保できないといった住居に有効な選択肢となります。
SHOPのようにおしゃれなウォークインクローゼットの事例はこちらから!
II型
II型レイアウトは、通路を挟んで両側の壁面にハンガーパイプや棚を平行に設置する形状で「二列型」とも呼ばれます。
最大の強みは、収納力が非常に高い点です。I型と比較すると収納量は約2倍であり、多くの衣類や小物を整理して収納できます。たとえば、夫婦や子ども用のように左右を使い分けたり、片側をオンシーズンの衣類、もう片側をオフシーズンの衣類にするなど、使い分けしやすいのも魅力です。
また、通路幅を十分に確保できれば、中で着替えたり、荷物を整理したりする作業スペースとしても快適に使えます。
コの字型
コの字型レイアウトは、入り口以外の3つの壁面すべてにハンガーパイプや棚を設置する形状です。「コの字型」または「U字型」と呼ばれることもあります。
ウォークインクローゼットのなかでも収納量が多く、衣類に加えて、布団やスーツケースなどの大型アイテムもまとめて収納したい場合におすすめです。
中央にはある程度の空間が確保できるため、着替えスペースとしてゆったり使ったり、アイロン台を設置して作業スペースとして活用したりすることもできます。
収納力が高い一方で、物が増えすぎると整理しにくくなる可能性があるため、あらかじめ計画的な収納を心がけることが大切です。
ウォークインクローゼットの強み
ウォークインクローゼットには、通常のクローゼットにはない多くの強みがあります。ここでは、ウォークインクローゼットの強みを解説します。
収納スペースが広い
ウォークインクローゼットの最大の強みは、圧倒的な収納スペースの広さです。一般的なクローゼットと比較して、奥行きも幅も格段に広いため、衣類はもちろんのこと、複数のアイテムもまとめて収納できます。
シーズンオフの寝具やスーツケースも余裕をもって収納できるでしょう。広い収納スペースのおかげで、ほかの部屋に収納家具をいくつも置く必要がなくなり、居住空間をスッキリと広く使えるようになります。
また、どこに何があるかもひと目で把握しやすいため、物品を探す手間や時間も削減できるでしょう。
衣替えをする必要がない
ウォークインクローゼットの広い収納スペースを活かせば、面倒な衣替えの手間を大幅に削減できます。春夏物と秋冬物といったシーズンごとの衣類を、同じクローゼット内でエリアを分けて収納可能なためです。
たとえば、ハンガーパイプのエリアを分けて、手前によく着るシーズンの衣類を、奥側にシーズンオフの衣類を掛けておけば、季節の変わり目にわざわざ衣類を入れ替える必要がありません。
気温差の大きい時期でも、必要な服をすぐに取り出せるため、毎日の服選びもスムーズになります。
大きいものも収納できる
広さと奥行きを活かし、一般的なクローゼットでは収まりきらない大型アイテムも無理なく収納できます。たとえば、海外旅行用のスーツケースやゴルフバッグといった趣味用品も、見た目を損なうことなくすっきりと保管できます。
また、年に数回しか使わないような季節用品やレジャーグッズも、上段や奥のスペースを活用することで、日常の動線を邪魔せずに収納できます。
来客時に収納スペースを隠せる
ウォークインクローゼットは、独立した小部屋のような空間になっているため、扉を閉めれば中の収納物を完全に隠せるのも強みです。急な来客時には、リビングや寝室に出ている衣類や小物を一時的に移すことで、スッキリとした空間を保てます。
また、収納スペースが個室として区切られていることで、プライバシーも確保しやすくなります。収納物が視界に入らないことで、空間全体の美しさや清潔感を演出でき、急な対応にも落ち着いて対応できるのが魅力です。
ウォークインクローゼットの設置におすすめな場所
ウォークインクローゼットをより便利に活用するためには、家の中のどこに設置するかがとても重要です。設置場所によって利便性や使い方が大きく変わるため、生活動線や家族構成に合わせた配置が求められます。
ここでは、設置場所によって、どのようなメリットがあり、どのようなシチュエーションで役立つのかを解説します。
寝室

寝室にウォークインクローゼットを設置することで、起床後や就寝前の着替えがスムーズになります。寝室から直接アクセスできるため、必要な衣類をすぐに取り出せる点が大きなメリットです。
また、家族全員の衣類をまとめて管理しやすく、整理整頓もしやすくなります。
プライベートな空間である寝室に隣接しているため、来客の目を気にせずにゆっくりと衣類を選んだり、着替えたりできるのも安心です。スペースに余裕があれば、クローゼット内にドレッサーや姿見を置き、身支度をすべて寝室内で完結させることも可能です。
寝室横に設けた大容量ウォークインクローゼットの事例はこちらから!
洗面所
洗面所の近くにウォークインクローゼットを配置するのも、家事動線・生活動線の観点から非常に便利です。お風呂上がりにそのまま着替えができたり、朝の洗顔やメイクを終えた後に、すぐ隣で服を選んだりできるため、準備の流れがスムーズになります。
また、洗濯物をたたんだ後、家族全員分の下着や部屋着、タオル類をそのまま収納できるので、片付けの手間も省けます。家事効率を重視する方にはおすすめの設置場所です。
廊下
廊下にウォークインクローゼットを設けるのも、家族で共有できる収納スペースとしておすすめです。
たとえば、玄関に近い場所に設置すれば、帰宅時にコートやバッグをすぐにしまうことができ、花粉やウイルスなどの室内への持ち込みを防ぐ効果も期待できます。
また、リビングや個室へ向かう動線上に配置すれば、誰でも使いやすい収納になります。掃除道具や日用品のストック、季節家電など、家族で共有するアイテムの保管にも適しています。
さらに、家族の帰宅が遅くなった日でも、寝室を通らずに廊下で着替えを済ませられるため、就寝中の家族を起こす心配もありません。
まとめ
ウォークインクローゼットは、衣類や小物を効率よく収納できるだけでなく、作業スペースや身支度の場としても活用できる、非常に便利な収納空間です。目的に応じたレイアウトや設置場所の工夫によって、より快適で使いやすい住空間を実現できます。
また、収納スペースの確保だけでなく、衣替えの手間の削減、大きなものの整理、さらには来客時の対応などにも活用できます。
「FPの家」は、高性能な住宅性能と自由なデザインにこだわった注文住宅をご提供しております。全国各地の工務店が登録しており、地元の工務店ならではのきめ細やかな対応が魅力です。100%フルオーダーで、ウォークインクローゼットに関する提案も行っております。
暮らしやすく、自由度の高い住まいづくりを叶える工務店をお探しの方は、ぜひ一度お近くの「FPの家」加盟工務店へお問い合わせください。