全国に約5万棟の住宅を建て、30年間積み重ねてきた経験の中から、特に大切だと思うことをお教えします。
日頃、健康のためにしていることはありますか?
ジョギングをしている。野菜を摂るようにしている。
たばこをやめた、お酒を飲みすぎない…なんて声も聞こえてきそうです。
ヨガに通っている、毎朝スムージーを飲んでいる…そんな女性もいるでしょう。外で元気よく遊ぶ!と、子どもたちなら答えるかもしれません。誰でも、日常で健康のために心がけていることは1つくらいあると思います。それほど「健康であること」は人生において皆の共通する願いなのです。
からだにいいものを食べる。
からだにいいことを続ける。それも大切なことですが、ぜひ、この後に
からだにいい家に住む。
を付け加えてほしいと思います。
私たちは、北海道で開発された高断熱高気密の技術を使って家を建てている工務店のグループです。発足して30年以上が経ち、全国に約5万棟の住宅を建ててきました。その過程で多くの方から「風邪をひかなくなった」「冷え性が改善した」「アレルギー症状が治まった」などの声をいただき、自分たちのつくる住宅が人の健康にとってよいものであることを実感してきました。
そんな私たちが失敗も成功も含めて30年間積み重ねてきた経験の中から、特に大切だと思うことを、具体的に書き出してみたのがこの本です。中にはちょっと理屈っぽくて、難しい話もあります。
しかし、家は一生に一度の高い買い物。インターネットの画面をみて、ちょっとよさそうだからと飛びつくのではなく、本当に必要なことは何か? 本当に自分たちが幸せになれる家とは何か? を立ち止まって考えてみてください。答えはきっとシンプルなはず。
家族がずっと元気に暮らせる家がほしい―
次々と耳にも目にも入ってくるたくさんの情報の中から、何を選んでよいのか分からなくなってしまった人は、この本を読めば、家づくりの優先順位が見えてくると思います。人生100年といわれる時代です。これから続く長い人生を豊かなものにするために、からだにいい家をつくりませんか。
BOOK PREVIEW!!
家族がずっと元気に暮らせる家の秘密がわかる!
好評発売中の「からだにいい家のつくり方」から本誌の内容をご紹介します!
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意外と知らない!? からだにいい家のつくり方
毎日さわやか!
きれいな空気で暮らす編
三度の食事より家の中の空気!?
人は、1日に約15kgの空気を摂取しているといわれています。「水を1日2ℓ飲めば健康によい」などと聞きますが、意識して飲んだとしても大きなペットボトル1本分はかなりの量があります。そう考えると、15kgの水や食べ物を摂ることは到底できませんから、私たちはいかに大量の空気を体に取り込んでいるかが分かります。そしてその空気のほとんどが、毎日、寝起きしている自宅の空気であることも想像できます。
実際に、人が一生のうちに体に取り込む物質の57%が室内空気という調査結果があります。水や食べ物(15%)と比べて3倍以上の量を体内に取り込むわけですから、家の中の空気をきれいに保つことが、いかに私たちの体にとって大切なことかが分かるでしょう。特に乳児や幼児は家にいる時間が長いぶん、大人よりも室内空気に影響されやすくなります。
Recorded content
三度の食事より家の中の空気!?
空気清浄機は万能ではない。
その疲労感、仕事や育児ではなく空気のせい!?
まだまだある!空気中の大敵。
空気の入れ替えは法律で決まっている。
どんな換気方法があるの…?
24時間365日きれいな空気で暮らすには…?
高気密の家はホコリが付かない!?
高気密の家は息が詰まる…?
高気密の家と低気密の家の見分け方
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意外と知らない!? からだにいい家のつくり方
我が家はカビ知らず
撃退! 結露編
人もペットも湿気のもと。
空気の中には、水蒸気も含まれています。夏に「湿気が多い」「じめじめする」と感じたり、冬に「乾燥する」「肌がカサつく」と感じたりするのは、空気中に含まれている水蒸気の量が違うからです。湿気の多さは、季節だけでなく、海や川、田んぼのそばなど、地域や場所によっても変わってきます。
家の中の湿気は、もっとややこしくなります。湿気の多い場所といえば、浴室や洗面室、キッチンなどの水廻りを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、そうとも言い切れないようです。私たちは日常生活のなかで思っている以上に水蒸気を発生しているのです。人の呼吸や発汗、ペットや観葉植物も水蒸気を発していますし、家族が集まってお鍋を囲んだり(湯気に水蒸気が含まれている)、たまった洗濯物を一気に室内に干したりすれば、リビングでも湿度はぐんとあがります。このように家のなかの湿度は、居る人の人数や行為によって変化します。
東京都にお住まいのKさんは、乾燥機を回すたびに洗濯室が「モワっとする」ことに悩まされていました。原因は、洗濯乾燥機から生じる水蒸気でした。機種によっては、洗濯乾燥機から出る水蒸気が室内に充満してしまうので、除湿機といっしょに使うことをおすすめしています。また、神奈川県のAさん夫婦は、高断熱高気密住宅を新築しましたが、数年後、寝室の窓がひどく結露するようになりました。それは最初に夫婦で寝ていた寝室に、子ども2人と一緒に寝るようになり、4人分の息と汗で寝室の湿度があがってしまったことが原因でした。
Recorded content
人もペットも湿気のもと。
湿度は40%~60%が過ごしやすい。
コワイのは、湿気ではなく結露!
湿気は壁の中にもラクラク浸入。
涼しい部屋の向こうで結露が…!
壁の中の結露を防ぐには。
Doctor's Voice その咳、「壁内結露」が原因かも
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意外と知らない!? からだにいい家のつくり方
暑すぎず、寒すぎない
からだにいい温度編
暖房しても足元が寒いのは、なぜ?
寒い冬、家の中ではどのように過ごしていますか? エアコンだけでは寒くて、電気カーペットを敷いたり、こたつに入ったりして、足元を暖めている人は少なくないでしょう。女性であれば、さらに靴下を何枚も履いて、廊下やトイレに行くときにはルームシューズが欠かせないという声も聞こえてきそうです。
また、リビングのドアを開ければ、廊下から冷たい空気が入ってきて「ドアを開けたらすぐ閉めて!」なんて子どもたちに怒鳴っていませんか? ドアを開ければ暖かいリビングの空気は冷え切った廊下へと逃げていき、そのぶん冷たい空気が中へと入り込んでくるのです。そんな廊下の寒さは、玄関からやってきます。冬の玄関は凍えるほど寒く、みかんや漬物の保管場所にちょうどいいなんて言っている場合ではありません。
どうしてこんなに家の中が寒いのでしょう? 答えは簡単。外の寒さが家の中まで伝わってきて、部屋を冷やし続けているからです。最も伝わりやすいのは、窓や玄関などの開口部。壁や床、天井も断熱が十分でなければ、家全体が冷やされていきます。極めつけに低気密となれば、すき間から外の冷気が入ってきて・・・想像しただけでも寒くなります。そして空気は冷やされると重くなり、下へと流れていくため、2階よりも1階が寒く、頭よりも足元が寒くなるのです。そんな状態では、暖房を強モードで運転しても、暖かい空気は上へ上へと流れていき、足元はいつまでたっても暖まりません。
冬に足元まで暖かい家をつくるには、「外の寒さの影響を受けない」ようにすること。すなわち家全体を断熱することがとても重要になってくるのです。
Recorded content
暖房しても足元が寒いのは、なぜ?
寒い家で起こるヒートショックがこわい!
運動よりも断熱のほうがからだにいい!?
暖かく暮らして血流アップで健康美人に♪
掛布団1枚で夏も冬もぐっすり眠る。
保温効果で冬の朝も軽やかな目覚めを。
断熱材は熱伝導率をチェック!
最低基準を知って断熱性能を見分ける。
事件は現場で起こる断熱材は施工のしやすさも大事!
窓の性能アップで部屋を広く使おう
弱冷房28℃で夏も快適&省エネ
妻と夫の仁義なき設定温度の戦い…!
書評いただきました!!
家を建てる時に読む本として、素直にオススメします
全ての建物がしっかり持つべき建物の基本性能は、「快適・健康」と「安心」の2つだと思います。「からだにいい家」のタイトルの通り、温熱や空気質など、一般の人にも知っておいてほしい家にかかわる快適・健康の基礎知識がしっかりまとめられています。構造の大事さや長寿命化・暖冷房のランニングコストなど、長く安心して住むための知識にも触れられています。
こうした家造りの知識がわかりやすく一通り網羅されている本は、意外とありそうで少ないんですよね。取り上げられているFP工法はフレーム&パネルの略称ですが、「骨」の構造と「皮」の断熱の組み合わせについて、その両方の高性能化と丁寧な施工にバブル前から30年以上も取り組んできたことは素直にすごいと思います。その分プランはガチガチかなと思っていましたが、結構自由度があることを知りました(失礼!)。
値段も手頃なので家を建てる時に読む本として、素直にオススメします。
前 真之先生
1998年東京大学工学部建築学科卒業。2003年同大学大学院博士課程修了。建築研究所などを経て、2004年東京大学大学院工学系研究科客員助教授に就任。2008年同建築学専攻准教授。空調・通風・給湯・自然光利用など幅広いテーマを研究し、真のエコハウスの姿を追い求めている。現在、暖房や給湯にエネルギーを使わない無暖房・無給湯住宅の開発・研究に取り組んでいる。主な著書『エコハウスのウソ』(日経BP)
「家の性能」の重要性がこの本を通して広く認識されることを願っています
これからは「健康寿命」を伸ばしていくことが重要な課題であり、そのためには食生活を含む生活習慣や医療などが大きくかかわってきます。ここに“家”も関係しています。すなわち“からだにいい家”です。では、体によい家とは何か。私は、「年中、薄着でストレスなく動き回れる家」だと考えています。家の中が夏は暑くなく、冬も薄着で過ごせるほど寒くなければ、億劫がらず動くことができます。そうすれば自然と活動量が増え、フレイル※の予防になり健康寿命を伸ばすことにつながります。
この本の中には、屋内の空気質(二酸化炭素、湿度、温度、汚染物質、ほこりなど)のコントロールが重要で、これができる家に住むことが体によいと述べられています。またそれを実現するには断熱、気密、換気が大切で、具体的にどうすればよいかということまで書かれており、住宅の断熱気密のことがよく分からない人にはこれを読めばその重要性をよく理解できることでしょう。そのうえで質の高い断熱気密の家を手に入れるには、よいかかりつけの医者と出会うように、よく話を聞いてくれ、かつ専門的な知識と施工能力のあるつくり手との出会いが重要だと思います。
これから高齢化がますます進む中、いつまでも健康に過ごすためには、生活習慣や食生活に気を配り、我々医療とよい付き合いを保ちながら、一方でいまだおろそかになりがちな「家の性能」についても重要であることが、この本を通して広く認識されることを願っています。
※フレイルとは加齢に伴い健康障害を招きやすい状態で、健康→フレイル→要介護の一連の流れの中間の段階。まだ可逆的な状態で栄養、運動、社会参加などの適切な介入で健康状態に戻ることも可能。
三根生 和明先生
医学博士。みねおい内科・循環器内科医院院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医(日本循環器学会四国支部評議員)。日本老年病学会専門医、日本医師会産業医、日本医師会健康スポーツ医。
「からだにいい家のつくり方」の全てがわかる!
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INDEX
1. 意外と知らない! からだにいい家のつくり方
きれいな空気で暮らす編
撃退!結露編
からだにいい温度編
2. マネしたい! 暮らしやすい間取りのヒント
吹抜けで2階とつながる憧れの大空間を手に入れる
窓際から小屋裏まで。空間を無駄なく使い切る!
忙しい毎日も家事がはかどるひと続きの導線計画
3. 万一のときに家族を守る! 災害に負けない家づくり
強い揺れにも耐える木造住宅の耐震対策とは?
熊本地震で判明した連続地震の危険
万が一に備えて耐震はどこまでやればよい?
被害を最小限に抑える木造住宅の火災対策とは?
4. 幸せは永遠に… ずっとお得に暮らすために
家にかかる費用はどのくらい?
エアコンの工夫で電気代を節約
窓廻りの工夫で電気代を節約
家を長持ちさせるために
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