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住まいのコラム

2025年2月4日

地震に強い家の形や見極め方は?建てる際の注意点と一緒に解説

日本で安心して暮らすには、家の耐震性をしっかり考えることが欠かせません。地震に強い家には、形や構造にいくつかの共通点があります。ポイントを押さえたうえで家づくりを進めることが大切です。

この記事では、地震に強い家の形や構造の種類、見極め方、建てる際の注意点について解説します。これから家を建てる方やリフォームを検討している方は、参考にしてみてください。

地震に強い家の形とは?

地震に強い家の形とは?

代々受け継がれてきた土地に受け継がれていく家 「Heritage House」 鹿児島県(株)/住まいの前屋敷

地震に強い家は、形が整っているという大きな特徴があります。具体的には、上から見て正方形や長方形である家は地震に強いといわれています。

なぜ正方形や長方形、平屋の家は地震に強いのか、その大きな理由は壁です。上下・側面にある6面の壁が均等に家を支える構造となるため、揺れを分散しやすくなります。

平屋も耐震設計が高い家として知られています。建物の重心が低いことで、地震の揺れによる横方向の力(水平力)の影響を受けにくくなります。重心が低いほど、揺れに対する安定性が向上します。

1階と2階の形がほぼ同じである総二階も、建物にかかる力が偏らず、剛性が均一に保たれます。地震発生時にも、一部へ過剰に負荷がかかるといったことを防げるため、震動による力を下方へバランスよく受け流しやすい特徴があります。一方で、前項で紹介した内容から特徴が遠ざかると対策が必要となります。

▼構造的な複雑さや不規則性
・コの字型やL字型の家
・壁に凹凸の多い家
・1階と2階の大きさが異なる家

→ただし、適切な補強や連結部の強化、バランスの取れた構造設計により、耐震性を高めることができます。

▼高さや細長さなど
・家の幅に比べて高さがある細長い家
・3階以上の階がある家

→ただし、壁や柱の補強、重心の低下、制震装置の導入などにより、安定性と耐震性能を向上させることができます。

▼大きな開口部や空間
・1階がガレージとなっている家
・広大な空間のある家

→ただし、耐力壁の追加、柱の補強、適切な耐震設計により、構造的な強度を確保できます。

上記のように、正方形から遠のいた形であることや、一部の柱が少ない点が挙げられます。こうした構造は安定性を確保しにくく、地震への耐久性も比較的低くなる傾向があります。

それぞれに合った対策を講じて耐震性に優れた家づくりを目指しましょう。

地震に強い家にする3つの構造とは?

強度を高めるための構造について把握する必要があります。ここでは、以下の3つの構造について詳しく解説します。

・地震に耐えるための「耐震構造」
・地震による揺れを抑える「制震構造」
・なるべく揺れが建物へ伝わることを防ぐ「免震構造」

耐震構造

耐震構造

世代を超えて、永く住継ぐ長期優良・高性能なFPの家 栃木県/(株)鈴木工務店

耐震構造とは、地震が起きても建物が倒壊せず、震動に耐えられることを目的とした設計のことを指します。そのために、さまざまな工法や設計の工夫が取り入れられています。

・柱と柱の間に筋交いを施す
・耐力壁を増やす
・柱と梁の接続部の強度を上げる
・柱や梁を太くする
・屋根を軽量化する

建物は重力に逆らって建てられているため、上下方向の揺れには比較的強い構造を持っています。しかし、水平方向の揺れには弱い性質があり、耐震構造によってこの弱点を補うことができます。

耐震構造の施工を行う際に基準となるのは、建築基準法で定められている内容です。現在は、1981年6月1日に定められた「新耐震基準」が適用されています。木造住宅においては、阪神・淡路大震災の教訓を経て2000年にさらに基準が強化(通称:2000年基準)されており、現在はこれが実質的な標準となっています。

大地震が発生するたびに建築基準法は定期的に見直され、2025年4月の改正施行によって、木造2階建てなどの確認申請手続きが厳格化されるなど、住宅の安全性確保に向けた基準はより確実なものへと進化しています。

また、後述する制震構造や免震構造に比べてリーズナブルな費用で行え、多くの戸建てや集合住宅に施されている構造でもあります。工期も短く、地盤の影響を受けにくいことも耐震構造の強みです。

出典:国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house-shien/taishin/index.html

出典:国土交通省「住宅:令和4年改正 建築基準法について」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_kenchikukijunhou.html

出典:日本住宅・木材技術センター「木造住宅の耐震診断・補強方法(2000年基準の解説)」(https://www.howtec.or.jp/

制震構造

制震構造とは、地震の揺れを抑えるために施される構造のことです。建物の内部にダンパー(振動軽減装置)や重りを設置し、地震の揺れが建物へ伝わることを抑制します。

制震構造は地震の揺れのみならず、建物の損傷や台風による揺れも抑える効果があります。免震構造よりも比較的リーズナブルな費用で行えることも魅力的です。

一般的には、タワーマンションや高級マンションに施されます。タワーマンションや高級マンションへ制震構造を施すことで、上層部の揺れを抑えられます。近年では、戸建て住宅にも採用されるようになりました。

免震構造

免震構造とは、建物と地面の間に免震装置を設置する構造のことです。建物は地面と切り離された状態となり、地震発生時は設置された免震装置が地震の揺れを吸収します。建物は大きくゆっくり動き、家具の転倒を防げます。

耐震構造や制震構造に比べて地震による被害を受けにくく、近年では多くのマンションに採用されるようになりました。また、柱や梁に装置を設置する施工ではないため、空間設計に対する自由度の高さも魅力的です。

地震に強い家の見極め方は?

「FPの家」を建てられたお客さまのなかには、熊本地震や東日本大震災の被害に遭われた方もいらっしゃいます。しかし「FPの家」の優れた耐震性によって、大切な家を守れました。

被災してしまった場合でも家の倒壊を免れた理由には、耐震性が大きく関係しています。ここでは、地震に強い家かどうかを見極めるポイントを4点ご紹介します。

耐震性・耐震等級

「地震の対策が十分に備わっている」と評価できれば、地震に強い家だと判断できます。判断するためには、耐震等級を確認する必要があります。

たとえば、長きにわたって継続的に快適な暮らしを送れる住宅とされる「長期優良住宅」では、耐震等級に関する細かな条件が認定項目に含まれているため、より耐震性に優れた家だと判断できます。

また、住宅性能評価書を用いて耐震性を確認することもおすすめです。住宅性能評価書は、国土交通省に登録された第三者機関が全国共通ルールのもと、該当する住宅の性能を公平な立場で評価した内容をまとめた書類のことです。

構造と工法

構造と工法

「FPの家づくり」について

各構造に適用される工法によっても耐震性が異なります。構造ごとの工法をある程度把握し、適用させたい工法を選びましょう。

【木造】

工法名 特徴
木造軸組工法(在来工法) 柱や梁を土台に組み合わせて構成する工法。日本の風土に深くなじんでおり、設計の自由度が高い。
枠組壁工法(2×4工法) 木製パネルを枠材に設置して壁を作り、その壁を組み合わせて家を構成する工法。短納期を実現できる。
木質パネル工法 床や壁の構造体をあらかじめパネルにしておき、現地で組み立てる工法。短納期を実現できる。
FP工法 木造軸組工法に「FPウレタン断熱パネル」を組み合わせた工法。軸組工法の長所である自由設計を活かしつつ、独自のパネルによって堅牢さを確保している。

【鉄骨造】

工法名 特徴
鉄骨軸組工法 鉄骨製の柱や梁を組み合わせて構成する工法。設計の自由度が高い。
鉄骨ラーメン工法 鉄骨製の柱や梁を接合し、枠組みを強化する工法。より耐震性に優れている。

【鉄筋コンクリート造(RC造)】

工法名 特徴
壁式工法 壁や床のみで構成する工法。柱や梁は設けない。より耐震性に優れている。
ラーメン工法 柱と梁を接合し、枠組みを強化する工法。より耐震性に優れている。

基礎工事

基礎工事は、布基礎とベタ基礎の2種類が存在します。結論からいうと、耐震性においてより優れているのはベタ基礎です。

布基礎は、逆T字型のコンクリート基礎を数か所に設け、その上に建物を建てる基礎のことを指します。点や線で建物を支えるイメージを持つと分かりやすいでしょう。

ベタ基礎は、床下全体にコンクリートを流し込んで建物を支える基礎のことです。建物に接する面積が布基礎よりも大きいため、より耐震性に優れています。

また、扱う資材の量によって費用や強度が変動する点も押さえておきましょう。

地震に強い家を建てる際の注意点は?

地震に強い家を建てるには、いくつかの注意点を押さえる必要があります。

吹き抜け

吹き抜けは、開放感があるため魅力的に感じる方は多いでしょう。しかし、吹き抜けを設けることでおのずと柱や壁の量が少なくなり、耐震性に懸念点が残ります。

耐震性も保ったうえで吹き抜けを設けるためには、構造に耐震性を持たせなければなりません。枠組壁工法やFP工法、鉄骨ラーメン工法など、より耐震性に優れた工法で家を建てることで、吹き抜けを設けても耐震性を保った家になります。

ビルトインガレージ

ビルトインガレージ

ビルトインガレージのあるレンガの家 茨城県/(株)にのみや工務店

ビルトインガレージとは、建物の1階に車庫を設け、ドアやシャッターを閉めることで車を格納するガレージのことです。

ビルトインガレージも、吹き抜けと同じような理由で耐震性に欠けてしまう場合があります。具体的には、ビルトインガレージを設けることで通常の部屋よりも壁が少なくなり、大きな地震に耐えられなくなる可能性が出てきます。

ビルトインガレージを設けたい場合も、耐震性に優れた工法を用い、工務店や建築会社と相談しながら耐震性を保った家づくりを進めていきましょう。

窓の数や大きさ

窓は、日光を室内に取り入れる・換気や調湿などにおいて重要な役割を果たしますが、多すぎるあるいは大きすぎる場合は、必然的に壁の面積が小さくなり、耐震性に欠けてしまうでしょう。窓の数や大きさと耐震性のバランスを考慮しながら、窓を設置することが重要です。

地震に強い工務店・ハウスメーカーの選び方

窓の数や大きさは耐震性とのバランスを見ながら決めることが大切です。あわせて、信頼できる工務店や建築会社を選ぶことも欠かせません。

地震に強い家を実現するには、建築会社の技術力だけでなく、取り組み方まで見極める必要があります。

ここでは、工務店や建築会社を選ぶ際に確認したいポイントを4つご紹介します。

構造計算を行っているか

構造計算とは、建物にかかる力、重さや地震の揺れ、風の力などを数値で整理し、柱や梁、壁といった構造部材が十分な強度を持つかを確認する作業です。

2025年4月施行の改正建築基準法により、全ての木造2階建て、および延べ面積200㎡超の木造平屋(新2号建築物)において、建築確認申請時に構造関係規定の図書提出が義務化されました。

なお、平屋かつ延べ面積200㎡以下(新3号建築物)は、建築確認における審査省略制度の対象区分として整理されています。

ただし、地震に強い家を目指すなら、規模に関わらず詳細な構造計算を行うことは欠かせない工程といえます。
構造計算を行う工務店や建築会社は、設計段階から安全性を数値で裏付けています。そのため、判断材料を示せる点で信頼しやすくなります。

見積もりや打ち合わせでは、構造計算書を提出できるか、計算結果をどう説明するかを確認しましょう。根拠を分かりやすく伝えられる会社は、耐震性への意識も高い傾向があります。

出典:国土交通省「住宅:令和4年改正 建築基準法について」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_kenchikukijunhou.html

出典:国土交通省「改正建築基準法 2階建ての木造一戸建て住宅(軸組構法)等の確認申請・審査マニュアル」(https://www.mlit.go.jp/common/001860611.pdf

出典:国土交通省「住宅:建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_kijunhou0001.html

耐震性を高める工夫があるか

耐震性を高めるには、構造計算に加えて、設計や施工での工夫も欠かせません。たとえば、耐力壁の配置バランスを整える、接合部に高強度の金物を使う、基礎の鉄筋量を増やすといった対策があります。
また、制震ダンパーや耐震補強材を標準仕様にしている建築会社もあります。ただし、こうした内容はカタログやホームページだけでは見えにくいことがあります。

そのため、モデルハウスの見学や打ち合わせの場で、どのような耐震対策をしているのかを具体的に質問するとよいです。施工事例や実績もあわせて見せてもらうと、会社の技術力や考え方がつかみやすくなります。

耐震実験を実施しているか

耐震実験とは、実物大の建物や模型で地震の揺れを再現し、構造の強度や安全性を確かめる試験です。大手の建築会社では、独自の実験施設を持ち、過去の大地震を想定した揺れで耐久性を確認している例もあります。

実験結果を公開している会社は、自社の技術を根拠とともに示そうとする姿勢が見えます。情報の透明性という点でも、判断材料になりやすいです。

ホームページや資料では、実験の内容や動画があるか、どの程度の揺れを想定しているか、実験後の建物がどうなったかを確認するとよいでしょう。データを継続的に蓄積している会社ほど、耐震性能への取り組みも深まりやすいといえます。

地域の気候風土を理解しているか

地震に強い家を建てるには、その土地の気候や風土に合わせた設計の配慮も欠かせません。たとえば、積雪が多い地域では屋根にかかる重さを見込んだ構造設計が必要です。台風が多い地域では、風圧に耐えるつくりも重視したいところです。

あわせて、地盤の性質や過去の災害履歴を踏まえたうえで、適切な基礎工事を提案できるかどうかも重要です。地域に根ざした工務店は、その土地ならではのリスクや対策に詳しいことが多く、細かな提案も期待できます。

一方で、全国展開している建築会社でも、地域ごとの仕様変更や現地調査を丁寧に行っている会社であれば安心材料になります。打ち合わせでは、地域の特性を踏まえた提案があるかを確認するとよいでしょう。
地域の気候風土に詳しい「FPの家」の会員工務店に相談すると、その土地に合った地震に強い家づくりを進めやすくなります。

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まとめ

地震に強い家を建てるには、形や構造だけでなく、工務店や建築会社選びも大切です。正方形や長方形といったシンプルな形は耐震性に優れています。さらに、耐震と制震と免震の違いを理解しておくと、自分に合った家づくりを進めやすくなります。

また、構造計算の実施、耐震実験の有無、地域の気候風土への理解度といった観点で建築会社を選ぶと、安心につながります。

「FPの家」は、独自のFP工法により高い耐震性を目指しています。実際に大地震を経験したお客さまの声も、家づくりの判断材料になるはずです。

地震に強い家づくりを検討している方は、全国の「FPの家」会員工務店へ相談してみてください。