家づくりでは、リビングにこだわりたいという人も多いのではないでしょうか。近年人気を集めているのが、天井の高い開放的な吹き抜けリビングです。広々とした空間に光が差し込み、どこにいても家族の気配が感じられる心地よさが魅力です。
一方で「冷暖房が効きにくい」「音やにおいは気になる」といった疑問や不安な点もあるのではないでしょうか。この記事では、吹き抜けリビングの魅力やメリットだけでなく、取り入れる際のポイントも解説しています。後悔しない家づくりのために参考にしてください。
吹き抜けリビングのメリット
リビングは、家族が長く過ごす中心となる空間です。リビングを吹き抜けにすることで、空間の使い方の幅が広がり、魅力ある空間へと変えられます。
吹き抜けリビングを設けることで得られる5つのメリットについて紹介します。思い描くイメージに合うか、参考にしてください。
・開放感を得られる ・自然光を取り込める ・風通しがよくなる ・家族間のコミュニケーションが活発になる ・おしゃれな空間にできる
開放感を得られる
吹き抜け最大の魅力は、圧倒的な開放感です。通常よりも天井が高くなることで、空間にゆとりが生まれ、広々とした印象になります。
毎日の生活で圧迫感がないことは、想像以上に心身のストレスを和らげます。仕事や育児で忙しい日々の中で、開放感のあるリビングが癒やしとなり、心の余裕にもつながるでしょう。
自然光を取り込める
吹き抜けにすることで、2階部分の高窓から自然光が1階のリビングまで差し込み、日中でも照明いらずの明るい空間が実現できます。
とくに住宅密集地や近くに高い建物がある場合は、吹き抜けが採光の可能性を広げてくれます。吹き抜けにすることで、2階部分からの採光が可能となり、周囲の環境に左右されない空間作りが可能になるでしょう。
朝から夕方まで心地よい自然光が差し込むことで、日中は明るく照明を使わずに過ごせるのは、大きなメリットといえます。日中の電気代を抑えることにもつながり、経済的なメリットも期待できるでしょう。
風通しがよくなる
吹き抜けによって縦方向の空気の流れが生まれ、家全体の風通しがよくなるのも大きなメリットです。煙突効果により暖かい空気が上昇し、高窓から自然に換気が行われるため風通しがよくなるのです。
自然な通風により、夏場の冷房効率が高まりやすくなります。湿気がこもりにくくなるため、カビやダニの発生リスクを抑えることにもつながり、家族の健康を守るという点でも効果があります。
また、シーリングファンを設置することで、冷暖房の空気をより効率的に循環させられます。快適性と省エネを両立できる設計が実現できるのは、吹き抜けならではの特徴です。
家族間のコミュニケーションが活発になる
吹き抜けリビングは、1階と2階を空間的につなぐ役割も果たします。1階と2階が空間的につながっていることで、どこにいても家族の気配を感じながら過ごすことができるのです。
子どもの声を聞きながら家事をしたり、上下階で声を掛け合ったりと、日常の中で自然なやり取りが生まれます。「ただいま」「ごはんできたよ」など、声のやり取りが自然と生まれるような空間を作れることは、吹き抜けの大きなメリットといえるでしょう。
声が届く距離感は、子どもたちの心の安定にとっても大切です。吹き抜けがあるリビングは、家族のつながりを感じられる住まいを実現できます。
おしゃれな空間にできる
吹き抜けがあるだけで、スタイリッシュな印象や高級感を与えられます。天井の高さを活かしてペンダントライトを設置したり、あらわし梁を見せることでナチュラルテイストな雰囲気に仕上げたりと、空間演出の幅がぐっと広がります。
毎日過ごす空間が、おしゃれで快適なものであれば、家族の満足度は高まり、家で過ごす時間がより特別なものになるでしょう。吹き抜けを上がるように設置したリビング階段をデザイン性の高いものにすることで、よりおしゃれな空間にすることも可能です。
吹き抜けリビングを設ける際のポイント
吹き抜けリビングには多くの魅力やメリットがありますが、注意すべきポイントも存在します。設計段階でしっかりと意識しておくことで、暮らしやすく、長く快適に過ごせる空間に仕上がります。
吹き抜けリビングを取り入れる際に考慮すべき5つのポイントを紹介します。
・吹き抜けにする目的を明確にする ・暑さと寒さの対策をする ・音やニオイの対策をする ・メンテナンスのしやすさを重視する ・照明や窓にこだわる
吹き抜けにする目的を明確にする
もっとも大切なのは「なぜ吹き抜けにしたいのか」という目的を明確にすることです。おしゃれだからという理由だけで採用してしまうと、実際に生活を始めた際に違和感を感じてしまうかもしれません。
開放感を求めているのか、家族とのつながりを重視しているのか、明るさを重視しているのかなど、目的によって設計の工夫も変わってきます。今はもちろん、ライフステージが変化した後のことも考慮して吹き抜けにするか検討しましょう。
また、吹き抜けを設けることで2階の床面積が減るケースもあるため、必要な収納や部屋数とのバランスも重要です。施工後に「思っていたのと違う」とならないように、家族でじっくり話し合いながら、目的と優先順位を整理しておくことが大切です。
暑さと寒さの対策をする
吹き抜けリビングでは空間が広くなるため、冷暖房効率に影響が出ることがあります。とくに夏は熱気が上部にたまりやすく、冬は暖気が上に逃げてしまう傾向があります。
これらに対して有効なのが、高断熱・高気密な住宅性能を確保することです。断熱材の質や窓の性能を高めることで、外気の影響を受けにくくなります。高断熱・高気密と相性のよい全館冷暖房もおすすめです。
また、シーリングファンを併用することで、空気の循環を促し、室内全体を快適な温度に保つ効果が期待できます。高窓には、ブラインドやロールスクリーンを取り付け、直射日光を調整できるようにするのもよいでしょう。
高い断熱性を持つ「FPの家」では吹き抜けなど開放的な大空間でも快適に過ごすことのできる住空間を可能とします。
音やニオイの対策をする
吹き抜けは、上下階のつながりが生まれる一方で、音が響きやすい、料理などのニオイが広がりやすいといった側面もあります。これらがストレスに感じることもあるでしょう。
たとえば、2階で仕事や勉強をしているときに、1階のテレビの音や会話が気になってしまうというケースも考えられます。音の対策は、カーテンやラグなどで音の反響を抑える、床材に吸音性の高い素材を選ぶなど、設計とインテリアの工夫で軽減できます。
ニオイの対策は、換気システムの強化やキッチンの配置がポイントです。吹き抜けとキッチンを離して設計することで、ニオイの懸念は減らせます。近い場合は、強力なレンジフードの設置や、空気の流れを考慮した間取り設計が求められるでしょう。
生活音やニオイは、日常に密着した課題です。だからこそ、計画段階でしっかりと検討し、暮らしのストレスを軽減できるような対策が必要です。
メンテナンスのしやすさを重視する
吹き抜けは天井が高くなるため、照明の交換や窓の掃除など、日々のメンテナンスが困難な場合があります。家が完成してから「届かない」「掃除が大変」と気づくことも少なくありません。
照明のメンテナンスが心配であれば、側壁や梁に照明を付けたり、リビングに電気スタンドを付けたりするのもおすすめです。吹き抜けの上部をグレーティングの回廊で囲むようなデザインを採用する方法もよいでしょう。
開閉しない窓であるFIX窓を採用することで、外からのホコリが入りにくく、掃除の手間を軽減できます。定期的に掃除を依頼できるように足場の取りやすさを考慮した設計にしておくと、将来も安心です。
照明や窓にこだわる
吹き抜け空間の魅力を最大限に引き出すためには、光の取り入れ方と照明のデザインが重要です。日中の自然光は高窓や天窓をうまく使うことで確保できますが、夜の照明は設置場所や光の広がり方を計算する必要があります。
壁面を利用して照らす間接照明のブラケットライトやペンダントライトなどを組み合わせることで、立体感のある柔らかな空間演出が可能です。
高窓の位置や大きさによっては、隣家からの視線が気になることもあるでしょう。その場合は、スリット窓やすりガラスなど外からの視線を遮りながらも光を取り入れる工夫が有効です。
デザイン性と機能性を両立させるのは簡単なことではありません。インテリアコーディネーターや設計士と相談し、細部までこだわり抜くことが吹き抜けリビング成功のカギといえるでしょう。
吹き抜けリビングの実例
吹き抜けリビングのメリットや注意点を踏まえて、ここでは、吹き抜けリビングを採用した3つの実例をご紹介します。実際の写真を見ることでイメージを膨らませ、設計の際の参考にするとよいでしょう。
家族との時間を満喫する住まい
富山県の「家族との時間を満喫する住まい」は、大きな吹き抜けと大開口サッシを活かした設計が特徴です。室内のどこにいても光と風を感じられる開放的な空間が広がっています。
家族が自然と集まりたくなる吹き抜けリビングは、1階と2階をつなぐことで、会話やコミュニケーションがスムーズになるでしょう。キッチン横の家族共有のカウンタースペースでは、子どもの宿題や読書だけでなく、パソコン作業もできるフレキシブルな空間です。
襖で仕切ることもできる和室は、リビングとつながった空間として活用することもでき、より開放的に感じられます。ムク材のアカマツやヒノキを使用した内装は、木のぬくもりが感じられ、心地よい暮らしを実現しています。
「FPの家」では、デザインの実例を紹介しています。 木材を取り入れた和な空間で、自然で落ち着いた毎日を過ごせます。 実例が気になる方は、ぜひお問い合わせください。
大きな吹き抜け空間の家

神奈川県の「大きな吹き抜け空間の家」は、リビングに設けられた大きな吹き抜けが特徴的です。天井までの高さを活かした設計により、縦のラインが強調された圧倒的な開放感と明るさを実現しています。梁の位置からカーテンをつけるというこだわりも感じられます。
吹き抜け部分には大きな窓があり、自然光がたっぷりと差し込むため、日中は照明いらずです。また、シーリングファンを設置することで、空気の循環を促し、快適な室温を保つ工夫がされています。
家全体をひとつの空間としてつなげることで、どこにいても家族の気配を感じられるように工夫されています。均一温度を保てる高断熱・高気密な家だからこそ、実現できる大空間です。
窓を楽しむ家

大阪府の「窓を楽しむ家」は、大パノラマの四連窓と吹き抜けリビングが魅力の住まいです。とくに大パノラマの四連窓は圧巻で、四連窓からの採光により、リビングはとても明るい空間を実現しています。
吹き抜けとスキップフロアを組み合わせた間取りは、家族のつながりを感じられる心地よい空間です。吹き抜け部分を利用して、人も歩ける設計のキャットウォークも設置され、機能性だけでなく遊び心も兼ね備えた設計が特徴です。
吹き抜け部分には、シーリングファンが設置されているため、大きな吹き抜けスキップフロアの間取りでも快適な室温を保てます。スキップフロア下部には物置スペースもあり、子どもが探検したくなるような、わくわくするポイントも盛り込まれています。
まとめ
吹き抜けリビングは、暮らしに開放感と心地よさをもたらし、家族間の会話やコミュニケーションをスムーズにしてくれます。その一方で、高い住宅性能が求められる間取りです。空間が広くなる分、冷暖房効率や快適性を維持するためには、確かな断熱や気密性が不可欠です。
「FPの家」は、業界最高水準の断熱性能を誇る「FPウレタン断熱パネル」により、まるで魔法瓶のように温度を保つ、高気密・高断熱構造の住宅です。開放的な吹き抜けがあっても、冬は暖かく、夏は涼しい、快適な室内環境を実現します。
開放的な吹き抜けリビングで理想の暮らしを叶えたい方は、ぜひ「FPの家」の施工事例や資料をご覧ください。お気軽にご相談ください。
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