注文住宅を建てることは、多くの人にとって人生の一大イベントです。夢のマイホームを実現するには、あらかじめプロセスをしっかり把握することが重要です。
この記事では、注文住宅を建てるまでの流れや必要とされる期間について解説します。支払いが求められるタイミングや注文住宅で失敗しないためのポイントも解説していますので、参考にしてください。
注文住宅を建てるまでの流れと期間は?
注文住宅を建てるまでの流れと期間の目安は、以下のとおりです。
1.予算の設定・情報収集:3~6か月程度
2.土地探し:3か月程度
3.工務店探し~プランの打ち合わせ:3~6か月程度
4.プランの決定~住宅ローンの審査:2~6か月程度
5.新築工事の着工・工事:3~6か月程度
6.各種手続き~引き渡し:1か月程度
それぞれの工程について解説します。
1.予算の設定・情報収集:3~6か月程度
注文住宅を建てるにあたって、最初にすべきことは予算の検討と情報収集です。まずは、家づくりにどれだけの資金を用意できるのかを明確にしましょう。具体的な方法としては、以下のものが有効です。
・自身の貯蓄を確認する
・親からの援助可能額を計算する
・金融機関のシミュレーション機能を活用する
また、現在の住居費用をもとにした比較も、現実的な予算を考えるのに役立ちます。
情報収集に関しては、住みたいエリアや家のデザインについて具体的なイメージを膨らませることが重要です。たとえば、駅近や静かな地域など、ライフスタイルに合った土地条件をリストアップし、希望に優先順位を付けておくと効率的です。
同時に、住宅の外観や、内装の好みも整理しておきましょう。モデルハウスの見学や資料収集を通じて情報を集めると、イメージが湧きやすくなるでしょう。
可能であれば、手書きの図面や写真を使って、理想の間取りをわかりやすく共有する準備も進めておきましょう。工務店との打ち合わせを円滑に進めやすくなります。
2.土地探し:3か月程度
続いてやるべきことは、土地探しです。まずは、希望エリアの土地価格相場をインターネットで調べることから始めるとよいでしょう。
不動産会社に直接相談することもおすすめです。インターネットからでは確認できない、非公開物件の情報を得られる可能性があります。希望条件を具体的に伝えると、条件に合った土地を提案してもらいやすくなるでしょう。
とくに、人気エリアの土地は競争が激しく、早めの行動がカギとなります。インターネットに掲載される前の情報を得られる場合もあるため、不動産会社には積極的に問い合わせてみましょう。
さらに、工務店に土地探しについて尋ねてみるのも効果的な手段です。場合によっては、理想の条件に近い土地を提案してくれることがあります。
このように、複数の手段を活用することで、より理想に近い土地に出会える可能性が高まるでしょう。
3.工務店探し~プランの打ち合わせ:3~6か月程度
土地が決まった後は、建築を依頼する工務店を探す工程へと進みます。工務店は、それぞれの異なる強みを持っています。それぞれが得意とするものを理解したうえで、自分の理想や予算に合った工務店を慎重に選びましょう。
工務店を選ぶ際は、見学会が参考になります。訪問前に資料を請求して、事前に情報を整理しておくと効率的です。可能であれば、実際の施工現場を見せてもらうのもよいでしょう。
なお、モデルハウスなどの外観や内装のデザインだけで判断するのは避けたほうが無難です。予算との兼ね合いや工務店の実績なども考慮に入れて、総合的に検討すると後悔のない工務店選びができます。
さまざまな要素を踏まえて、依頼したい工務店の候補を絞り込んだ後は、間取りや設備の希望を具体的に伝えて、プランと見積もりの作成を各社に依頼しましょう。その際、提示された見積書の内容を細かく確認し、諸経費や保証内容を把握することをおすすめします。
このように、複数の会社を比較・検討すれば、信頼できる工務店を選べるでしょう。
4.プランの決定~住宅ローンの審査:2~6か月程度
工務店選びが完了した後は、住宅の具体的なプランを作っていく段階に入ります。この時点で申込金が必要となる場合もあるため、契約条件をしっかり確認しましょう。
間取りや設備の詳細を詰めながら、修正や変更を重ねて理想のプランを完成させます。また、土地の地盤調査を早期に実施し、必要に応じて改良工事の費用を見積もりに反映させることが重要です。
並行して、住宅ローンの仮審査を金融機関に申し込み、予算計画を具体化させていきましょう。プランが確定した後は、工事請負契約を締結し、使用する建材や設備、仕様も決定します。
その際、プラン内容が法規制に適合しているかを確認しなければなりません。問題がなければ、市区町村または民間評価機関へ建築確認申請を行い、許可を取得します。
許可を取得した後は住宅ローンの本審査に進み、金融機関との契約を完了させます。なお、この段階でプランを変更しなければならない場合は、必ず変更契約を締結しましょう。
場合によっては、変更が不可能なケースもあるため、あらかじめ変更可能な範囲を確認しておくこと安心です。
5.新築工事の着工・工事:3~6か月程度
住宅ローンの本審査が完了して建築計画が正式に承認されると、新築工事が始まります。工事を開始する前には、地域の風習に応じて地鎮祭を実施し、工事の安全を祈願することが一般的です。
なお、工事中は重機の稼働などで周囲に騒音が発生する可能性があるため、着工前に、近隣住民への挨拶を忘れないようにすることが大切です。挨拶が難しい場合は、工務店に代行を依頼できる場合もあります。必要に応じて、このようなサービスを提供しているかどうか確認してみましょう。
また、建築の進行に合わせて、骨組みが完成した段階で上棟式を実施する場合があります。上棟式は必須ではありませんが、希望に応じて選択可能です。工事中は現場を定期的に訪れて、進捗状況を確認するとともに、施工業者と良好なコミュニケーションを保つことが大切です。
6.各種手続き~引き渡し:1か月程度
新築住宅が完成したら、引き渡し前の最終手続きが行われます。まず、市区町村または民間評価機関による完了検査を受けることが必要です。
完了検査では、建築確認申請の内容に適合しているかが確認されます。完了検査をクリアすると検査済証が発行され、正式な引き渡しへの準備が整います。
引き渡し時は、直接立ち会って設備や内装に不具合がないかを確認しましょう。問題点が見つかった場合は、その場で修正を依頼し、適切に対応してもらうことが重要です。修正が完了し、最終チェックで問題がなければ、正式に引き渡しへと進みます。
新居での生活を快適に始めるため、引き渡しに先立って、家具・家電の準備を整えておくとよいでしょう。引き渡しに関する手続きや流れは、工務店や条件によって異なる場合があります。そのため、前もって必要な確認を済ませていけば、スムーズに進められるでしょう。
「FPの家」では、お客さまに快適な暮らしを届けるため、全国でもトップクラスの高性能住宅を提供しています。詳細について知りたい方は、お気軽に資料請求してください。
また、こちらからは工務店名簿もご確認いただけますので、あわせてご覧ください。
注文住宅の購入費用の支払いタイミングは?

費用は、以下の3~4回のタイミングで支払うケースが一般的です。
・契約時
・着工時
・上棟時
・引き渡し時
それぞれのタイミングについて解説します。
契約時
注文住宅の建築を進めるにあたり、最初の支払いタイミングは工事請負契約を締結する際です。契約は、発注者と工務店との間で交わされます。取り決める主な内容は、以下のとおりです。
・工事内容
・金額
・支払方法
・スケジュール
契約時には、工事費用の一部を手付金として支払うのが一般的です。また、契約時には工事請負契約書の印紙代や敷地調査費、設計料、建築確認申請料などが別途必要になる場合があります。いずれも実費で発生するため、余裕を持った資金準備が求められるでしょう。
加えて、建築確認申請も行われるため、申請料の支払いも発生します。建築確認とは、計画した建物が法規制に適合しているかを市区町村や指定検査機関が確認するための手続きのことで、完了すると確認済証が交付されます。
契約時の費用は、その後の建築計画を円滑に進める基盤となります。詳細を事前にしっかり確認し、スケジュールに余裕を持って準備を進めておくことが欠かせません。
着工時
工事請負契約の締結と建築確認の承認を経た後は、住宅の工事が始まります。2回目の支払いとして、着工のタイミングで「着工金」として工事代金の一部を支払います。
着工前には、工事の安全を祈願するための地鎮祭を実施するのが一般的です。地鎮祭の費用は自己負担となり、着工金とは別途発生することがあるため、実施する場合は確認しておきましょう。
地鎮祭に必要な費用は、地域の慣習や工務店の指針が影響を与えます。したがって、詳細をしっかり把握しておくと安心できるでしょう。
地鎮祭については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。実際の流れや費用相場なども紹介しているため、ぜひあわせてお役立てください。
上棟時

上棟の際には、工事代金の一部を支払うケースが一般的です。全体予算の一部として計画的に準備しておきましょう。なお、上棟とは住宅の骨組みが完成し、最も高い位置に「棟木」と呼ばれる構造材を取り付ける工程を指します。
上棟する段階では、建物の基本構造が整い、工事が大きく進展する節目とされています。そのため、木造住宅に限らず、骨組みの完成時を上棟とするケースが多く、このタイミングで「上棟式」という儀式を実施する場合があります。
上棟式とは、建物の無事完成を祈るものです。上棟式は地域によって形式や内容が異なるだけでなく、そもそも実施しない場合も考えられます。
実際、上棟式自体は必須ではなく、最近では省略するケースも多く見受けられます。しかし、式を行わない場合でも、支払いが求められることには変わりません。
上棟時には追加の諸費用が発生することは少ないものの、支払時期や金額は工務店によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。どの程度の金額必要なのかをあらかじめ確認しておけば、余裕を持って資金を準備できるでしょう。
上棟式については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。準備しておくべきことやぜひあわせてお役立てください。
引き渡し時
新築工事が完了すると、住宅の引き渡しが行われます。引き渡しとは、建物の工事がすべて完了し、施主に住宅の所有権が正式に移ることを意味します。工事代金の残額を支払うのが一般的です。
工事費用に加えて、以下の費用の支払いも発生します。
・消費税
・登記費用
・住宅ローンの諸費用
・火災保険料
さらに、引き渡し後には引っ越し費用や不動産取得税、固定資産税の納付なども必要となります。住宅ローンを借りている場合は、月々の返済も始まるため、余裕を持った資金計画を立てておきましょう。事前に計画的な準備を進めておけば、安心して新生活をスタートできます。
「FPの家」では、地域の気候や風土に詳しい工務店がお客さまの要望をお聞きして、理想の住宅を建てています。資料に詳細を掲載していますので、興味のある方はお気軽に資料請求してください。
注文住宅で失敗しないためのポイントは?
以下のポイントを押さえておけば、注文住宅を建てるときの失敗を未然に防げます。
・実際の生活をイメージする
・スケジュールに余裕を持つ
・工務店・建築会社を比較する
・追加費用や工期の延長に注意する
・余裕のある資金計画を立てる
・周辺環境を確かめる
それぞれのポイントについて解説します。
実際の生活をイメージする

注文住宅で失敗しないためには、まず新しい家でどのように暮らすかを具体的に想像することがポイントです。日常の動線や生活スタイルを考慮し、理想の住まいがどのような形になるのかをイメージしてみましょう。
たとえば、家事を効率的に進める動線や、家族とのコミュニケーションを楽しむリビングの配置などです。このように実際の生活シーンを細かく描くことで、より快適な住まいを実現しやすくなります。
家は、長期的に暮らす場所であることを忘れてはなりません。将来のライフプランも視野に入れて計画を立てる必要があります。お子さまの成長や老後の暮らしを考え、間取りや設備に柔軟性を持たせることで、長く快適に住み続けることが可能です。
家族の希望や優先順位を話し合いながら、日々の暮らしをシミュレーションしてみましょう。明確なイメージを持つことは、後悔の少ない家づくりにつながります。
スケジュールに余裕を持つ
注文住宅の完成までには、設計やプランニング、資金調達、手続きなどの準備期間も含まれるため、余裕を持ったスケジュール設定が不可欠です。計画開始から引き渡しまでに1年以上の期間を要するケースも少なくありません。
また、天候や不測の事態によって、工事が遅れる可能性も考慮しておきましょう。たとえば、台風や大雨の影響で作業が予定どおり進まないケースなどが考えられます。そのため、完成希望時期を決める際は余裕をもって計画を立て、早めに準備を始めることが大切です。
時間に余裕があれば、間取りや設備の選定、契約条件の確認にじっくり取り組めます。各工程に時間をかければ、満足度の高い住宅が実現しやすくなるでしょう。焦らず計画を進めるためにも、スケジュールには余裕を持たせておくのがポイントです。
工務店・建築会社を比較する
注文住宅で失敗しないためには、自分に合った工務店・建築会社を選ぶことが重要です。最適な工務店を選ぶためには、複数の会社を比較する必要があります。比較の際は、以下の項目を確認しましょう。
・品質
・提案力
・価格
・担当者の知識量・人柄
住宅の品質は、住み心地や耐久性に影響を重要な要素です。比較するために、モデルハウスや実際の施工現場を訪れ、技術力や仕上がりを直接確認しましょう。実際の仕事を見ることで、信頼できる会社を選びやすくなります。
提案力もポイントのひとつです。提案力のある工務店は、施主の要望を的確に取り入れつつ、暮らしやすい間取りやデザインを提供できます。各社から提案を受け、それぞれを比較すれば、どの工務店・建築会社が最適かを判断できるでしょう。
価格面では、予算内に収めることはもちろん、長期的な維持費も視野に入れた判断が求められます。割高に感じる場合でも、メンテナンスが少なくて済む建材を採用すれば、結果的にコストを抑えることが可能です。
忘れがちなのが、担当者の知識量や人柄です。担当者が知識や経験を備えているだけでなく、円滑にコミュニケーションを取れるかどうかも理想の家づくりを左右します。コミュニケーションがうまく取れなければ、自分の要望がうまく伝わらない可能性があるためです。
上記4つの項目をもとに、複数の工務店や建築会社を比較して、理想に最も近い工務店・建築会社を選びましょう。
追加費用や工期の延長に注意する
注文住宅を計画する際には、追加費用の発生と工期の延長に備えておきましょう。実際、契約後に予想外の費用がかかるケースは珍しくありません。
たとえば、地盤調査の結果による土地改良工事、間取りの変更、収納や窓の追加、水回りや内装設備のグレードアップなどが代表的な例です。このような変更が生じる際は、費用が増加する可能性があります。
また、天候や進捗状況によって工期が延長されることも考慮しておきましょう。工期が長引けば、引っ越し日程に影響を及ぼし、仮住まいの手配や追加費用が発生する可能性があります。
こうした状況を未然に防ぐために、工務店に補償内容や対応策を事前に確認しておきましょう。計画段階から想定外のリスクに備えることで、ストレスを減らしてスムーズな家づくりを実現できます。
余裕のある資金計画を立てる
注文住宅を計画する際、オプションや設備の追加によって予算を超えてしまうケースは多いです。したがって、慎重な資金計画が求められます。
前提として、家計に無理のない返済額を設定することが不可欠です。そのため住宅ローンを組む際は借りられる金額ではなく、無理なく返済できる金額を基準に設定しましょう。また、建築費用だけでなく、諸費用や予備費も考慮に入れることがポイントです。
コストを抑える方法としては、建物の形状や仕様をシンプルにするのが有効です。凹凸の多い間取りは工事費を押し上げる原因となるため、直線的な設計を検討しましょう。
また、大型の窓や多数の建具は費用増加につながりやすいため、快適性を損なわない範囲で調整しつつ必要最小限に抑える工夫も必要です。
これらのポイントを押さえた計画を立てることで、長期的に安定した住宅ローンの返済を実現し、安心して暮らせる住まいを手に入れられるでしょう。
周辺環境を確かめる

理想の注文住宅を建てるためには、建築を予定している地域の周辺環境をしっかりと確認することが欠かせません。地図やインターネットの情報だけでは見落としがちな点も多いため、実際に現地を訪れ、自分の目で状況を確認することが重要です。
また、土地そのものの特徴だけでなく、生活の利便性に直結する要素も確認しましょう。たとえば、学校や保育施設までの距離、病院やスーパーといった生活施設の充実度、最寄り駅や主要道路へのアクセスのしやすさなどです。
そのほかにも、周辺の交通量や通学路の安全性、夜間の静けさや街灯の明るさなど、現地を訪れないとわからない点は数多くあります。周辺環境を十分に確認しておけば、長期的に満足できる住まいを手に入れるための大きな助けとなるでしょう。
「FPの家」では、地域の実情に詳しい工務店がお客様の家づくりを担当します。そのため、どのような気候であっても、快適で暮らしやすい住まいを実現することが可能です。
こちらの記事では、マイホームが欲しいと思ったときにまずすべきことを解説しています。ぜひあわせてお役立てください。
まとめ
注文住宅の建築では、予算設定から情報収集、土地や工務店の選定、プラン決定、着工、引き渡しに至るまで、計画的な対応と綿密な準備が欠かせません。費用の支払いタイミングや追加費用の発生、工期の延長といったリスクへの備えも必要です。
また、実際の生活を具体的にイメージしながら、無理のない資金計画を立てることが、満足度の高い住まいづくりにつながります。周辺環境を事前に確認して、スケジュールには余裕を持つこと、複数の工務店を比較検討することも大切なポイントです。
注文住宅をお考えなら「FPの家」がおすすめです。地域の気候や風土を熟知した工務店が、お客さまのライフスタイルや要望に合わせた高性能で快適な住宅を提供します。
「FPの家」は全国各地の工務店で建築・施工されており、その地域ならではの特性に応じた住まいづくりが可能です。安心して任せられる「FPの家」で、理想の住まいを実現させましょう。
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