家を買いたい・建てたいと思ったとき、どのタイミングで購入すべきかわからない方がいるでしょう。マイホームを持ちたい方は、適切なタイミングを見極めることが大切です。
そこで本記事では、家を買うタイミングを決めるときのポイントや、避けるべきタイミングをご紹介します。
記事終盤では、家を買う前にすべきこともお伝えするので、家の購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
家を買うタイミングを決める基準
家を買いたいと思った場合、いつ購入するのかタイミングを見極めることが大切です。ここでは、家を買うタイミングを決める基準について6つの項目に分けてご紹介します。
年齢
家を買う際、年齢から適切なタイミングを決めることがポイントです。若ければ若いうちに住宅ローンを組んで家を買えば、返済期間を延ばして月々の支払いを抑えられたり、定年までに返済が終了したりするメリットがあります。
しかし、年齢が若い時期は、経済的にマイホームの購入が難しく、住宅ローンの審査を通過できない場合があります。経済的に問題がない年齢と、定年前後に返済が終了する年齢の両方に着目するとよいでしょう。
国土交通省の「令和6年度住宅市場動向調査報告書」によると、各住宅タイプの世帯主の年齢は、以下のとおりです。
・注文住宅:42.1歳(建て替えの場合は60.7歳)
・分譲戸建て住宅:38.8歳
・分譲マンション:44.1歳
・中古戸建て住宅:44.8歳
・中古集合住宅:45.7歳
報告書の結果から、世帯主の年齢が30後半〜40代であることがわかります。年齢で家の購入時期を決める際は、30代を目安に考えておくとよいでしょう。
出典:国土交通省「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001900667.pdf)
年収
家を購入する際、年収からタイミングを見極めることが大切です。住宅ローンを組む場合は、無理なく返済できる年収であるか、家を一括で購入する場合は、購入後の貯蓄に余裕があるか、などのポイントを確認しましょう。
国土交通省の「令和6年度住宅市場動向調査報告書」によると、各住宅の平均世帯年収は以下のとおりです。
・注文住宅:907万円
・分譲戸建て住宅:851万円
・分譲マンション:891万円
・中古戸建て住宅:699万円
・中古集合住宅:717万円
報告書の結果から、年収600万円を超えたときに家の購入を決めた方が多いことがわかります。分譲マンションの世帯主の平均年収は、900万円台とほかの住宅タイプよりも高い傾向にあるので、ほしい住宅タイプに合わせてタイミングを決めておくとよいでしょう。
出典:国土交通省「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001979235.pdf)
そのほかの家を買うタイミング
そのほか家を買うタイミングは、昇給による収入アップや貯蓄の増加、家計の見直しなどライフプランの節目でも判断できます。
ここでは、マイホーム購入を検討しやすい4つのタイミングを紹介します。
昇給・昇進したとき
昇給や昇進で収入が増えたタイミングは、家を買う時期として考えやすいでしょう。年収が上がると住宅ローン審査に通りやすくなり、借入可能額が広がるため、希望する立地や広さの住宅を選びやすくなります。返済計画に余裕が生まれやすい点もメリットです。
ただし、住宅ローンは長期返済となります。
国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書」によると、注文住宅では年間返済額が平均144.8万円、返済負担率も18.4%と高い傾向があり、返済期間が30年を超えるケースも少なくありません。
昇給直後の収入を前提に借入額を増やしすぎると、将来の転職や役職定年、ライフスタイルの変化などにより返済が苦しくなる可能性もあります。
無理なく返済できる範囲で返済計画を立てることが大切です。
出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書」(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001900667.pdf)
貯金が十分に貯まったとき
貯金が十分に貯まったタイミングは、マイホーム購入を決断しやすい時期のひとつです。
住宅購入では住宅ローンに加えて、頭金や登記費用、仲介手数料、火災保険料などの諸費用も必要になるため、自己資金が多いほど安心して資金計画を立てられます。頭金を多く用意できれば借入額を抑え、月々の返済負担を軽減できる点もメリットです。
ただし、入居後には家具・家電、照明器具などの購入費用(耐久消費財購入費)がかかる点に注意が必要です。国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書」による、1世帯あたりの平均購入額は以下のとおりです。
・注文住宅(全国):159万円
・分譲戸建住宅:152万円
・既存(中古)戸建住宅:86万円
このように、住宅タイプによって入居後の出費には差があります。貯金をすべて使い切ってしまうと、その後の維持費や急な出費に対応できなくなるため「生活防衛資金」を手元に残したうえで、無理のない購入計画を立てましょう。
出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書」(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001900667.pdf)
家計を見直したとき
家計の収支を整理した結果、毎月の家賃負担が大きいと感じたときも、家を買うタイミングのひとつです。
賃貸は住み続ける限り家賃を払い続けますが、支払っても資産として残らないため「家賃がもったいない」と考える人も少なくありません。
一方で住宅購入なら、住宅ローンの返済が将来的に資産につながり、完済後は住居費を抑えられる可能性があります。条件次第では、月々の返済額が家賃と同程度、またはそれ以下になるケースもあります。
周囲の人が家を買ったとき
友人や同僚など身近な人が家を購入すると、自分もマイホームを意識し始めることがあります。実際の体験談を聞くことで、住宅ローンの流れや購入までの準備を具体的にイメージしやすくなる点はメリットです。
同じライフステージの人を参考にすることで、家計や将来の住まい方を見直すきっかけにもなるでしょう。
ただし住宅購入は、収入や貯蓄、ライフプランによって最適なタイミングが異なります。周囲に流されて焦って決めるのではなく、自分にとって無理のない時期か冷静に判断することが大切です。
家を買ってはいけないタイミング
家を購入するタイミングだけではなく、避けておくべきタイミングも把握しておくことが大切です。ここでは、家を買ってはいけないタイミングを4つご紹介します。
ライフスタイルに変化が起きやすい時期
出産や転職などライフスタイルが変化しやすい時期は、家を買わずにタイミングを待つべきでしょう。出産後に落ち着いてから家を購入することはおすすめですが、出産時期と被らないようにすることが重要です。
出産時期と被ると、出産の準備をするのに忙しかったり、荷造りや荷解きなどが体の負担になったりします。まとまった時間の確保、体への負担軽減のために、落ち着いた時期を狙うのがおすすめです。
また、転職や転勤する場合は、居住地が変わってしまうおそれがあるので、家を買わないほうが無難でしょう。家を購入しても、居住地が変更し、売らなければいけない事態になる可能性があります。
経済状態が安定していない時期
住宅ローンを組む場合は、経済状況が安定しているときがおすすめです。安定していないと、時期によっては返済が難しくなってしまい、滞納してしまうおそれがあります。経済状態が安定していても、無理なく支払い続けられるように返済計画をしっかり立てることが大切です。
とくに、転職したばかりの方は、経済状態が安定していないケースが多く見られます。そもそも住宅ローンの審査を通過できないおそれもあるため、返済能力があると証明するためにも、まず経済状態を安定させることが重要です。
物価や金利が上昇している時期
物価や金利が上昇しているときは、無理に家を購入したり、月々の支払金額が高くなったりするおそれがあります。そのときの物価や金利の傾向だけではなく、この先の傾向も見据えて購入するタイミングを決めるとよいでしょう。
これから物価や金利の減少が予想される場合は、減少する時期まで待つことがおすすめです。物価や金利によっては、実際に支払う金額が数百万円も多くなってしまうおそれがあります。
ローン完済時の年齢が80歳を超える場合
住宅ローンを組んで家を買う場合、月々の返済額だけではなく、返済期間も考慮する必要があります。住宅ローンを完済するときが80歳を超えてしまうと、年金などで支払わなくてはいけないケースがあるでしょう。
80歳を超えても仕事をし続ける方でも、病気や体の衰えなどで十分に働けないおそれがあります。老後を安心して暮らせるように、定年までに完済できるように計画を立てることがポイントです。
このように家を買ってはいけないタイミングを避けることで、購入後の家計負担や後悔のリスクを減らしやすくなります。無理のない時期が見えてきたら、次に考えたいのが「どの住宅タイプを選ぶか」です。
住宅タイプ別のメリット・デメリット
住宅には、一戸建て・マンション、新築・中古といった4つのタイプがあります。それぞれ特徴や費用、暮らしやすさが異なるため、ライフスタイルや資金計画に合った選択が重要です。
ここでは住宅タイプ別のメリット・デメリットを紹介します。
一戸建てのメリット・デメリット
一戸建て住宅の魅力は、土地と建物を資産として所有できる点です。建物が独立しているため生活音を気にしにくく、家族でのびのび暮らしやすい住まいといえるでしょう。
庭付きなら子どもの遊び場や家庭菜園に活用でき、駐車スペースがあれば駐車場代がかからない点もメリットです。
国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書」でも「一戸建てだから」を理由に選ぶ若者夫婦世帯は41.0%と高く、戸建て人気の強さが分かります。
一方で修繕やメンテナンスは自己負担となるため、外壁や屋根の補修など維持費も含めた資金計画が重要です。
出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書」(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001900667.pdf)
マンションのメリット・デメリット
マンションのメリットは、駅近など利便性の高い立地が多く、通勤や買い物がしやすい点です。
オートロックや防犯カメラなどセキュリティ設備が整った物件も多く、安心して暮らしたい人に向いています。共用部分の管理を任せられるため、戸建てより維持の手間が少ない点も魅力です。
一方で、住宅ローンとは別に管理費や修繕積立金、駐車場代などの固定費がかかります。また生活音やプライバシーへの配慮が必要な場合があり、ペット飼育やリフォームが規約で制限されることもあるため、購入前に確認しておきましょう。
新築のメリット・デメリット
新築住宅のメリットは、誰も住んだことのない住まいで新生活を始められる点です。設備が新品で快適に暮らしやすく、耐震性や省エネ性能が高い物件も多いため安心感があります。
国土交通省の調査でも「新築住宅だから」を理由に選ぶ若者夫婦世帯は69.8%と高く、新築の人気が根強いことが分かります。デザイン性や住宅性能を重視し、快適さで選ばれる傾向があるのも特徴です。
一方で中古より価格が高くなりやすく、完成前契約の場合は住み心地が想像と異なる可能性もあります。将来の資金計画も含めて慎重に検討しましょう。
出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書」(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001900667.pdf)
中古のメリット・デメリット
中古住宅のメリットは、新築より購入価格を抑えやすく、同じ予算でも広い間取りや希望エリアの物件を選びやすい点です。物件数も多く、立地を重視したい人にとって選択肢が広がります。
また完成済みの建物を見学でき、日当たりや周辺環境を確認できるのも安心材料です。リフォームやリノベーションで自分好みに整えられる点も魅力でしょう。
一方で、築年数によっては設備の老朽化や耐震性に注意が必要です。修繕費も含めた総額で資金計画を立てることが大切です。
家を買って後悔しないためのポイント
家の購入は人生でも大きな買い物です。資金計画や住宅ローンを十分に理解せずに進めると、購入後に後悔する可能性があります。ここでは失敗しないためのポイントを解説します。
頭金だけでなく予備費も考慮する
住宅購入では、頭金を多く用意すると住宅ローンの借入額を減らせるため、月々の返済負担を軽くできるメリットがあります。頭金の割合によっては金利優遇を受けられる場合もあります。
ただし、貯金を頭金に使いすぎるのは注意が必要です。登記費用や仲介手数料など購入時の諸費用に加え、入居後も固定資産税や修繕費などの支出が続きます。
病気や転職など急な出費に備え、生活防衛資金を残したうえで、頭金と予備費のバランスを考えた資金計画を立てましょう。
月々の返済額は家賃並みという言葉に気をつける
住宅購入を検討していると「月々の返済額は家賃と同じくらい」と説明されることがあります。家賃並みの支払いでマイホームが手に入るように見え、購入を後押しされる人も多いでしょう。
しかし、この言葉だけで判断するのは危険です。変動金利を選ぶと将来の金利上昇で返済額が増える可能性があるためです。
さらに住宅購入後は、固定資産税や修繕費などローン以外の費用もかかります。家賃並みという金額に惑わされず、総支出を踏まえた無理のない返済計画を立てることが大切です。
資金援助を受けた場合の贈与税に気をつける
住宅購入時に親や祖父母から資金援助を受けるケースもありますが、受け取ったお金は「贈与」とみなされます。年間110万円を超えると贈与税がかかる可能性があるため注意が必要です。
税負担を抑える制度として、以下の特例があります。
住宅取得等資金贈与の非課税特例:一定条件で最大1,000万円まで非課税 相続時精算課税制度:最大2,500万円まで贈与税がかからない
これらを併用すれば、最大3,500万円まで非課税となる場合もありますが、暦年課税に戻れないことや小規模宅地等の特例が使えないなど制限もあるため、慎重に選びましょう。
また借り入れとして受け取る場合でも、返済実態がないと贈与と判断されることがあります。借用書や振込記録を残し、必要に応じて専門家へ相談すると安心です。
出典:国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm)
出典:国税庁「No.4103 相続時精算課税の選択」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103.htm)
まとめ
家を買うタイミングは、年齢や年収、ライフステージの変化、社会情勢などから見極めることが大切です。適切なタイミングを選ぶことで、住宅ローンを無理なく返済できたり、お得に住宅を購入できたりとさまざまなメリットが得られます。
また、まとまった時間がないときや居住先が変更しやすい時期は、家の購入を避けることが無難です。家族が増えて居住スペースが足りないなどの事態を避けるために、家族計画からはじめることも重要です。
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