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住まいのコラム

2025年4月8日

ファミリー玄関とは?設計する際のコツと事例3選も紹介!

ファミリー玄関とは、お客さま用玄関と家族用玄関が仕切りで分かれている玄関です。本記事では、一般的な玄関でよくありがちな後悔や、ファミリー玄関を取り入れるメリットをご紹介します。

そのほか、ファミリー玄関を設計する際のコツや施工事例もお伝えするので、注文住宅の玄関づくりでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

ファミリー玄関とは

ファミリー玄関とは、お客さまが使うメイン玄関と、家族が使うファミリー玄関で仕切りが設けられている玄関のことです。家族の靴が脱ぎっぱなしの玄関を来客が通らなくて済むため、常にきれいな玄関で迎え入れられます。

家族用のファミリー玄関は、家族の靴が脱ぎっぱなしでも、アウトドア用品がそのままでも、メイン玄関から見えない場所に位置しています。ファミリー玄関にも十分な収納スペースを設ければ、来客用のスリッパと家族の靴の収納場所を分けられるでしょう。

また、メイン玄関とファミリー玄関で、家の中に入る動線が異なります。お客さま用玄関からはリビングに直接つながっているケースが多いですが、ファミリー玄関からはキッチンやダイニングに直結しているケースが多いです。

玄関の間取りでよくある後悔

注文住宅を建てる際、家族で過ごす時間の多いリビングや各部屋の設計に着目するあまり、玄関の設計に力を入れるケースは少ないのではないでしょうか。「曖昧なまま玄関づくりを進めてしまったことで、いざ住んでみてから後悔した…」という事例は数々あります。

注文住宅の設計で後悔しないためには、玄関に関する失敗事例を参考にするとよいでしょう。ここでは、玄関の間取りでよくある後悔ポイントを5つご紹介します。

土間が狭い

土間とは、玄関のドアを開けて靴のままで出入りできるスペースです。たとえば、ほかの部屋を大きく設計したい場合、玄関はコンパクトに設計するケースが多いです。

しかし、靴の脱ぎ履きができる土間が狭いと混雑してしまい、窮屈に感じます。忙しい朝の通勤・通学時には、大きなストレスを感じるおそれがあるでしょう。

とくに、小さい子どもやペットがいる家庭では、子どもに靴を履かせるためにしゃがみ込んだり、ペットの散歩帰りに足の裏を拭いたりするのに不便に感じやすいです。

収納が足りない

玄関の収納スペースが少ないと、靴や子どもの外遊びの道具、傘、車用品、アウトドア用品などをそのまま置かなければいけなくなります。足を踏み入れるスペースが少なくなるだけでなく、煩雑な印象が強くなります。

注文住宅を建てるときに靴や荷物の量を正しく把握していても、暮らしていくうちにものが増えて、収納が足りなくなるケースもあるでしょう。新しい家族の誕生など、家族構成の変化も荷物が増える理由につながります。

窓がなくて暗い

実際に住んでみると、玄関全体が暗いと感じるケースがあります。採光窓がないか、設置されていても季節や方角によっては十分に光が入らない場合があるためです。

昼間でも玄関が暗すぎて照明をつけなければいけないとなると、電気代がかさむ原因となるほか、外出時や帰宅時の気分にも影響があるでしょう。日光、とくに朝日はリラックス効果を得られるともいわれています。気持ちのいい1日のスタートを迎えられる玄関づくりには、こうしたポイントも大切なのです。

洗い場まで遠い

帰宅後は、手洗い・うがいがルーティンの方も少なくありません。とくに、子どもがいる家庭では「帰ったらまず手洗い・うがいをしよう!」と習慣づけている親御さんも多いのではないでしょうか。

しかし、玄関から洗い場までの距離が遠ければ、こうした動作も面倒に感じやすくなります。洗い場まで遠ければ、1度手についた汚れを家の中に持ち込むことになるため、衛生面で気になる方も多いです。

キッチンまで遠い

玄関からキッチンまでの距離が遠ければ、買った食材をしまうのにも苦労するでしょう。とくに、米や2Lのペットボトルなどを購入した日は、重たい荷物を運ぶのにひと苦労です。

普段から食料品の買い物や料理を行う方は、玄関からキッチンまでの行き来が多いです。キッチンでまとめたゴミを出しに行くのもひと苦労なので、日常生活の快適性を考慮するなら、玄関からキッチンまでの距離も考える必要があります。

ファミリー玄関のメリット

ファミリー玄関のメリット

先述した玄関の後悔ポイントを解決方法の一つにファミリー玄関の導入という選択肢があります。

まずは、土間の狭さや収納面です。ファミリー玄関を設けることで、来客用のメイン玄関が散らかることを防げるでしょう。メイン玄関とファミリー玄関との間に仕切りをつくれば、家族が脱ぎっぱなしにしてしまった靴も、来客からは見えません。

さらに、メイン玄関とファミリー玄関の収納スペースを別に設ければ、靴以外のさまざまなものも十分に収納できるスペースがつくれます。

また、家族の人数が多い場合もファミリー玄関が活用できます。ファミリー玄関で子ども達が靴の脱ぎ履きをしているときは、お父さんはメイン玄関から出入りするなど、柔軟な過ごし方ができるでしょう。

ファミリー玄関を設計する際のコツ

ここでは、ファミリー玄関を設計するときのコツを4つご紹介します。

スぺ-スを広めに確保

ファミリー玄関をつくる際は、メイン玄関とファミリー玄関どちらもスムーズに出入りできるように、玄関全体のスペースを広めに確保するのがポイントです。土地の購入時や設計時に、十分なスペースがあるか確認しましょう。

ファミリー玄関は、シューズクロークなどの収納スペースも一体化して設けるケースが多いため、こうした収納部分のスペースも確保することがおすすめです。とくに、靴やアウトドア用品が多い方、小さい子どもがいる方は、今以上にものの数が増えても収納できるほどの場所を確保しましょう。

また、犬とともに暮らすご家庭では、散歩帰りに玄関で犬の足を拭いてあげることもあるでしょう。そのため、ペット・飼い主ともに窮屈さを感じないようなスペースの確保がポイントです。

動線の考慮

玄関からの動線を考慮して、快適に暮らせるように設計するとよいでしょう。たとえば、玄関からキッチンやパントリーまでの距離を短くすれば、買った食材をスムーズに運べます。

また、玄関から手洗い場までの距離が短ければ、家族みんなが手洗いやうがいをする習慣が身につきやすくなります。家族それぞれの動線を考えたときに、家族全員が快適に過ごせる空間づくりになるように設計しましょう。

こうした動線を考慮していくと、来客時のことを想定して「手洗い場やキッチンが玄関からすぐ見えるのはちょっと…」と躊躇う方もいるでしょう。この場合、ファミリー玄関からはすぐにアクセスできるようにし、メイン玄関からは見えないように設計すればお悩み解決です。

クローゼットの設置

ファミリー玄関を設ける際、クローゼットを設置すれば、外出や帰宅時にアウターやカバンなどを置いておけます。シューズクロークとクローゼットをともに設置すると、靴の収納と同時に上着の脱ぎ着ができるので便利です。

ローゼット空間には、コートやカバン以外に、アウトドア用品や車用品なども一緒に収納しておけます。用品ごとにボックスに入れておけば、どこに何を収納しているかわかりやすく、見た目もすっきりとした印象になります。

かさばりやすいコートを玄関で脱ぎ着できるようにすれば、各部屋のクロゼットスペースもすっきりします。コートは、雨や雪、花粉などが付いている可能性があるため、こうした汚れを家の中に持ち込まないためにも、玄関へのクローゼットの設置がおすすめです。

土間収納の設置

土間収納の設置

ぬくもり溢れる プロバンス風の住まい 山口県/(株)ザイマ

汚れを気にせずにさまざまなものを収納しておける土間収納を設置するのもおすすめです。小さな子どもがいる家庭は、ベビーカーや外遊び用のおもちゃなどを土間収納に置いておけます。

そのほか、雨や雪で濡れた傘、土で汚れた園芸用品、洗車で使う車用品なども収納できるでしょう。汚れたものを家の中に入れたくない場合、土間収納があれば気兼ねなく玄関に置いておけます。

また、収納として区切ったスペースにしまうことで、玄関がすっきりした印象になります。土間収納を設置する際、湿気やカビ、におい対策のために、風通しのよさにも着目するとよいでしょう。

ファミリー玄関の事例3選

ファミリー玄関を取り入れたいものの「具体的にどのような配置にしたらよいかわからない」「具体的なデザインをイメージできない」とお悩みではありませんか?ここでは、実際にファミリー玄関を取り入れた施工事例を3つご紹介します。

2way動線のファミリー玄関

1つ目の事例では、メイン玄関とファミリー玄関の2つの玄関から動線が確保されています。メイン玄関とファミリー玄関との間には仕切りが設置されており、メイン玄関には常に来客用スリッパを常備しておくことが可能です。

ファミリー玄関側には、靴を履いたまま手洗いうがいができる手洗い場が設置されています。タッチレスなため衛生的で、家の中に汚れや菌を持ち込まずに済みます。

ファミリー玄関の直線上にはキッチンとパントリーがあるため、買い物した荷物の運搬がしやすいです。ファミリー玄関のみでも十分広いので、両手に荷物を持ったままでもスムーズに入れるでしょう。

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帰宅動線のあるファミリー玄関

2つ目の事例では、広々としたメイン玄関と、ガレージと直結している玄関の2種類があります。ガレージに車を停めてそのままファミリー玄関から入れるため、雨や雪が降っていても濡れずに家の中に入れます。

ガレージと直結しているファミリー玄関側には、開け閉めできる扉がついています。メイン玄関側からの視線を遮ることで、すっきりとした玄関を演出できますね。

また、玄関に入ってすぐ横には、大容量のシューズクロークが設置されています。可動棚で靴の高さに合わせて調整できるため、サンダルからブーツまで効率的に収納できます。

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キッチンに隣接した玄関

3つ目の事例では、広く奥行きのある土間続きの玄関を紹介します。手前側・突き当たり側と2つの玄関が迎えてくれる2Way動線で、壁側に設置された採光窓や白基調のつくりが爽やかな開放感を与えてくれますね。

手前側のメイン玄関からはリビングへ、突き当たり側のファミリー玄関からはシューズクロークや洗面台直結のホールへと繋がります。ホールには、軽い鞄や帽子を引っ掛けて収納できるマグネット壁や、大容量の収納扉も完備されています。

さらにホールを進むと、ファミリークローゼットからランドリールーム、洗面所やバスルームを経由してLDKまでぐるりと抜けられる回遊構造なのもポイントです。

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より満足度の高い間取りにするには?

家づくりでは、玄関のほか、リビングやキッチン、各部屋などの間取りを設定する段階がとても重要です。ここでは、ファミリー玄関をはじめ、家全体でより満足度の高い間取りにするためのポイントを3つご紹介します。

間取りの事例をみてイメージを作る

より満足できる間取りにするために、実際の間取りの事例を参考にして、取り入れたい部分をイメージすることがポイントです。間取りを参考にする際のポイントは、主に3つあります。

採用したい部分だけを選別する

間取りを参考にするとき、採用したい部分を選別していきましょう。取り入れたい部分をそのまま採用できるケースもあれば、採用するには少し内容を変更しなければいけないケースもあります。

実際に見た間取りのプランとともに、採用したい部分をピックアップしたメモなどを用意し、工務店や建築会社に伝えてみましょう。土地と道路との位置関係により、適切な玄関の位置も異なるため、プロの意見を聞きながら採用したい部分を選別するのもポイントです。

全部取り入れようとしない

事例から採用したい部分を選別したら、さらに細かく検討して絞り込んでいきます。このとき、よいと思った要素すべてをそのまま取り入れようとするのはおすすめできません。

間取りの事例は、各家庭のライフスタイルだけでなく、気候や風土など多角的な観点から考慮してつくられたものです。そのため、必ずしも全部を取り入れたデザインがベストとは限りません。

選別した採用したい部分を全部取り入れようとすると「実際に住むと我が家には不要だった」「予算がオーバーしてしまった」など、思わぬ悩みにつながります。家族みんなが納得できるよう優先順位を考慮しながら、その土地の工務店や建築会社に相談しましょう。

ライフステージの変化も考慮する

長期間にわたって暮らす家づくりでは、ライフステージの変化を考慮しながら間取りを設計するのがポイントです。たとえば、今は子どもが小さくても、成長するにつれ子ども一人ひとりの部屋が必要なら、可動式の間仕切りを設置するなどで対処できます。

子どもが自立したときを考慮し、高齢夫婦が暮らしやすい家づくりのために、バリアフリー設計を今から取り入れるのも可能です。これから家族構成に変化はあるか、10年後や20年後はどのような状況なのか考えながら、マイホームづくりをするとよいでしょう。

間取りを提案してもらう

希望する間取りが決まったら、工務店や建築会社に相談して、実際の間取りを提案してもらいましょう。どの工務店や建築会社に相談すればよいかわからない場合は、複数の工務店や建築会社に間取りの提案を依頼するのがおすすめです。

イメージが実際に間取りとして現れれば、あらためて改善したいポイントや、どうしても採用したいところなどが明確になりやすいです。改善したいところがあれば、間取りのつくり直しを依頼してみましょう。

納得いくまで間取りを練る

満足度の高いマイホームづくりでは、納得するまで間取りを練るのがポイントです。試行錯誤すればするほど打ち合わせ回数が多くなりますが、納得しないまま進めると、建ててから悔いの残る家づくりとなるおそれがあります。

工務店や建築会社は、それぞれの家庭が満足する家づくりの提供に力を入れています。工務店や建築会社と相談しながら、家族みんなが納得のいく間取りを完成させましょう。

依頼先に迷ったら?

どの工務店や建築会社に家づくりを依頼すればよいか迷ったときは、担当者との相性、プランニング力の高さ、技術力の高さ、強みや得意分野を比較して、自分に合ったところを探すのがポイントです。

担当者とは長期間にわたっての付き合いになるため、親身になって対応してくれるかが大切です。担当者の熱意が高ければ、家づくりにも反映され、より満足度の高い建物ができあがります。

プランニング力は、要望を否定せずに耳を傾けながらも、よりよい提案をアドバイスすることを指します。技術力とともに高ければ、難しい要望に応えてくれる可能性が高く、自由度の高い注文住宅の建築を実現するでしょう。

工務店や建築会社によって、デザイン力にこだわっているか、狭小住宅を得意とするかなどが異なります。どのような家をつくりたいか明確にすると、自分に合った工務店や建築会社が見つかりやすいです。

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まとめ

まとめ

和のナチュラル住宅 山口県/(株)田中組

ファミリー玄関は、玄関に靴やものが散乱しやすい場合や、来客用玄関と分けたい場合におすすめです。クローゼットやシューズクローク、土間収納などを取り入れると、収納スペースを十分に確保できます。

ただし、玄関2つ分と収納スペースを確保する必要があり、ほかの部屋のスペースに大きく影響します。満足度の高い間取りにするには、信頼できる工務店や建築会社に相談するのがポイントです。

「FPの家」の登録ビルダーは、地域の気候風土を知り尽くした工務店や建築会社です。地域の特性を理解しながら快適な家づくりをしたい方は、全国の「FPの家」ビルダーへご相談ください。

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