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住まいのコラム

2025年10月31日

外より家の中が寒いのはなぜ?新築でも感じる原因とすぐできる対策を解説

新築の家なのに、冬になると室内のほうが寒く感じてしまい、不安を抱く方も少なくありません。「建て方を間違えたのでは」と心配になることもあるでしょう。

新築であっても断熱性や気密性が十分でなければ、快適な温かさを保てません。窓の性能や断熱材の品質、さらには間取りの工夫など、いくつもの要素が影響します。

「FPの家」は、優れた断熱性と気密性を兼ね備えた高性能住宅です。外気温に左右されにくい構造を実現しているため、冬でも家の中を暖かく快適に保てます。

この記事では、新築なのに寒いと感じる6つの主な原因を取り上げます。手軽にできる応急対策から、根本的に解決するリフォーム方法、さらに新築時に知っておきたい寒さ対策のポイントまで解説します。

新築なのに外より家の中が寒い!考えられる6つの原因

新築なのに外より家の中が寒い!考えられる6つの原因

新築の家なのに、冬になると外より寒く感じることがあります。

日本の住宅は世界と比べて断熱性能が十分とはいえないケースがあり、省エネ基準の義務化も近年始まったばかりです。そのため、断熱や気密への配慮が不十分な家では寒さを感じやすくなります。

ここでは、新築にもかかわらず寒さを感じてしまう主な理由を6つに分けて解説します。

窓とサッシの断熱性が低い

住宅の暖かさを大きく左右するのが窓です。環境庁によると、暖房時に流出する熱のうち約58%は窓から逃げているとされています。

とくにアルミサッシと単板ガラスの組み合わせは断熱性が低く、室内の暖かい空気を逃がしやすく、外の冷気を取り込みやすい傾向があります。新築時に窓のグレードを下げてしまうと、冬の寒さを強く感じる原因になりかねません。

出典:環境省ウェブサイト https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h16/20499.html

断熱材の品質が低い

住宅の快適性を大きく左右するのが断熱材です。断熱材の性能は「熱伝導率」で表され、この数値が低いほど熱を通しにくくなります。たとえば、同じグラスウールでも密度10Kより16Kのほうが断熱性に優れます。

また、断熱材は厚みや施工の精度も欠かせないポイントです。十分な厚みがなかったり隙間があったりすると、本来の効果を発揮できません。なかでもウレタン系断熱材は熱伝導率が低く、高い断熱効果を発揮する素材として知られています。

建物自体が冷えている

建物の構造によっては、室内が冷えやすく、暖まるまでに時間がかかることがあります。

たとえば、鉄筋コンクリート造(RC造)は熱をため込みやすい一方で、一度冷えると温まるまでに時間がかかります。木造在来工法では、構造上の隙間ができやすく、気密性を保ちにくい点が課題です。

また、新築直後は建材に含まれる水分が蒸発する際の気化熱によって、室温が下がることもあります。この現象は一時的なもので、数か月から1年ほどで自然に落ち着きます。

24時間換気システムから暖気が逃げている

2003年の建築基準法改正以降、シックハウス症候群を防ぐために住宅には24時間換気システムの設置が義務化されました。換気は大切ですが、熱交換機能がないタイプでは外の冷たい空気がそのまま室内に入り、せっかく暖房で温めた空気が逃げやすくなります。

とくに第三種換気システム(排気のみ機械で給気は自然)の場合は、熱損失が大きく、冬の寒さを強く感じる原因になることがあります。

換気システムには第一種から第三種まであり、それぞれ熱損失の大きさが異なります。新築時に第一種熱交換換気を採用することで、室温を保ちながら新鮮な空気を取り込み、快適性と省エネ性を両立できます。

出典:国土交通省ウェブサイト https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/sickhouse.files/sickhouse_1.pdf

暖房効率がよくない間取りになっている

吹き抜けやリビング階段は開放感を演出できる魅力的な設計ですが、その一方で暖房効率を下げる原因になることがあります。暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へたまる性質があるため、1階で温めた空気が2階へ上がり、足元が冷えやすくなるのです。

ただし、高断熱・高気密の住宅ならこの問題は大きく抑えられます。工夫次第でデザイン性と快適さの両立は可能です。

コールドドラフト現象が発生している

コールドドラフト現象とは、窓際で冷やされた空気が床に流れ込み、足元を冷やして体感温度を下げてしまう現象です。暖房を使っていても足元だけが冷えると感じるときは、この影響が考えられます。

主な原因は窓の断熱性能の不足です。窓の性能を高めることでコールドドラフトを抑え、室内全体を快適に保てます。

今すぐできる!外より家の中が寒いときの対策6選

「とにかく今すぐ寒さをなんとかしたい」という方のために、手軽に試せる対策を紹介します。

床にカーペットやラグを敷く

床からの冷えをやわらげるには、カーペットやラグを敷く方法が効果的です。繊維の間に空気を含むことで断熱層が生まれ、床下からの冷気を遮ってくれます。足元が暖かくなるだけで、体感温度が大きく上がります。

暖房器具を窓下に置く

窓の下に暖房器具を配置すると、コールドドラフト現象をやわらげられます。窓で冷やされた空気をすぐに温め直すことで、冷気が部屋に広がるのを防ぎ、足元の寒さを和らげられます。

輻射熱が出る暖房器具を使う

輻射熱とは赤外線によって人体や家具を直接温める仕組みで、空気を介さずに熱を伝えるため温度ムラが少なく、心地よい暖かさを感じられます。オイルヒーターは部屋全体をじんわりと暖め、こたつや電気ストーブは局所的に素早く暖めるのに役立ちます。

断熱カーテンを使う

窓からの冷気を抑える方法として、厚手の断熱カーテンを使うと効果的です。カーテンと窓の間に空気層をつくることで、室内の暖かさを逃がしにくくし、外からの冷気の侵入も防げます。

窓に断熱シートを貼り付ける

窓ガラスに断熱シートを貼ると、ガラスとの間に空気層が生まれ、冷気の侵入を抑えながら室内の暖かさを保てます。結露を軽減する効果もあり、水滴対策としても役立ちます。

窓や扉に隙間テープを貼り付ける

隙間テープは、手軽に気密性を向上させられる便利なアイテムです。窓枠やドアの隙間をふさぐことで冷気の侵入を防ぎ、室内の暖かさを守れます。

寒い家に住み続けると健康にも影響が

家の寒さは快適さを損なうだけでなく、健康面にも影響が及びます。温度差の大きい環境では体に負担がかかりやすく、とくに高齢者や子どもにとっては注意が必要です。

ここでは、寒い家で起こりやすい3つの健康リスクを紹介します。

温度差によるヒートショック

ヒートショックは、急な温度変化で血圧が乱れ、心臓や血管に大きな負担がかかる現象です。消費者庁によると、入浴中の死亡事故は年間約19,000人に上り、その多くがヒートショックに関連しているといわれます。

とくに暖かいリビングから寒い脱衣所へ移動し、さらに熱い浴槽に入るといったシーンでは血圧が急変し、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。

断熱性の低い住宅では、部屋ごとの温度差が10度以上になることもあり、体への負担が大きくなります。

ヒートショックを防ぐには、住宅全体の温度差を小さくすることがもっとも効果的です。具体的には、脱衣所や浴室に小型の暖房器具を設置する、入浴前に浴室を温めておく、トイレに暖房便座やパネルヒーターを導入するなどの対策があります。

しかし、これらは部分的な対処法にすぎません。根本的な解決には、住宅の断熱性能を高めて家全体を均一な温度に保つことが重要です。

出典:消費者庁ウェブサイト https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_042/assets/consumer_safety_cms204_20201119_02.pdf

換気不足によるシックハウス症候群

寒さを避けようとして換気を止めてしまうと、建材や家具から発生するホルムアルデヒドなどの化学物質が室内にたまり、シックハウス症候群を引き起こす可能性があります。厚生労働省も、これらの物質の濃度を一定以下に保つよう推奨しています。

症状には頭痛やめまい、吐き気、目や喉の痛みなどがあり、健康を守るためには適切な換気が欠かせません。熱交換型の換気システムを導入すれば、室温を保ちながら空気を入れ替えられるため、快適さと安心を両立できます。

出典:厚生労働省ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0722-8f.pdf

結露によるダニやカビ

結露はカビやダニの発生につながり、アレルギーや喘息の原因になることがあります。窓際の結露は目に見えますが、壁の中で起こる「壁体内結露」は気づきにくく、知らないうちに断熱材を傷めて建物の耐久性を下げてしまう恐れもあります。

カビの胞子はアレルギー性鼻炎や喘息、アトピーを悪化させる要因になることがあり、とくに子どもや高齢者にとって注意が必要です。予防には湿度管理に加え、住宅の気密性と断熱性を高めることが重要です。

根本的に解消!外より家の中が寒いときのリフォーム方法

寒さを本質的に解消するためには、住宅の性能そのものを高めるリフォームが効果的です。初期費用は必要ですが、暖房効率が上がることで光熱費を抑えられ、長期的には経済的メリットも期待できます。

ここでは、抜本的に寒さを改善する主なリフォーム方法を紹介します。

窓の断熱性を高める

窓の断熱性を高める

大黒柱のある和モダンな家 茨城県/(株)にのみや工務店

窓の断熱強化は、寒さ対策のなかでもとくに効果が大きい方法です。内窓(二重窓)を設置すると既存の窓との間に空気層ができ、高い断熱効果を得られます。工事も短期間で完了するため、取り入れやすい対策です。

さらに快適さを求める場合は、複層ガラスやトリプルガラスへの交換、樹脂サッシへの変更がおすすめです。樹脂サッシはアルミサッシに比べて熱を伝えにくく、結露を抑える効果も期待できます。

窓の断熱リフォームには、補助金制度を活用できる場合があります。国や自治体が実施する住宅省エネ改修支援事業では、窓の断熱改修に対して費用の一部を補助してもらえることがあり、経済的負担を軽減できます。

また、窓のリフォームは比較的短期間で完了し、工事中も住みながら施工できるケースが多いため、生活への影響を最小限に抑えられます。さらに、断熱性能が向上することで暖房費が削減され、長期的には初期投資を回収できる可能性も高く、資産価値の向上にもつながります。

ドアの断熱性を高める

玄関ドアは窓と同じように外気が入りやすい場所であり、断熱化することで寒さ対策に大きな効果を発揮します。築年数の古い住宅では断熱性能が低いドアが使われている場合があり、そのままでは冷気が侵入しやすくなります。

断熱性と気密性を兼ね備えたドアに交換すれば、隙間風を防ぎながら玄関まわりを暖かく保てます。玄関が快適になることで、家全体の居心地も大きく向上します。

部屋の広さに合った空調機器を使う

吹き抜けなどの大空間では、一般的な暖房容量では不足しやすく、思うように室内が暖まらないことがあります。エアコンには適用畳数の目安がありますが、吹き抜け部分の空間も考慮しなければ十分な効果を得られません。

建物の構造や断熱性能に適した容量の機器を選ぶことが重要です。

床暖房を設置する

床暖房は足元から部屋全体をじんわり温め、快適な暖房環境をつくります。温水式は初期費用がやや高いもののランニングコストが低く、電気式は導入が手軽でメンテナンスも簡単です。

温風を出さないため温度ムラが少なく、空気の乾燥やホコリの舞い上がりを防げるのも魅力です。小さな子どもやペットがいる家庭にも向いています。

全熱交換器を導入する

24時間換気による熱のロスを抑えるには、熱交換型の換気システムを取り入れることが効果的です。全熱交換器は排気の熱を回収して新鮮な外気を温めて取り込むため、冬は暖かさを、夏は涼しさを維持しやすくなります。

とくに第一種換気の熱交換型システムは性能が高く、リフォーム時に検討する価値があります。

シーリングファンを取り付ける

天井付近にたまった暖かい空気を循環させるには、シーリングファンを活用する方法が効果的です。吹き抜けやリビング階段のある空間では暖気が上に逃げやすいですが、ファンを回すことで上下の温度差をやわらげ、部屋全体を均一に暖められます。

サーキュレーターでも代用できますが、インテリア性を高めたい場合は照明一体型のシーリングファンを選ぶと、実用性とデザイン性を両立できます。

壁・床・天井の断熱リフォーム

家の寒さを根本から改善するには、壁・床・天井の断熱性を高めることが欠かせません。窓だけを強化しても、他の部分から熱が逃げてしまえば十分な効果を得られません。

費用を抑えたい場合は、床下へのウレタン吹き付けや天井裏への断熱材追加といった方法が手軽です。さらに快適さを求める方には、壁を解体して断熱材を入れ直す本格的なリフォームが有効で、住み心地の向上や光熱費の削減にもつながります。

新築時からできる家の寒さ対策

新築時からできる家の寒さ対策

北欧スタイルのナチュラルな空間に包まれた家 愛知県/(株)栄建

ここまでリフォームによる寒さ対策を紹介してきましたが、最初から高性能な住まいを建てることが、もっとも効率的で確実な方法です。後からのリフォームに比べてコストを抑えやすく、快適さを長期的に維持できます。

これから家づくりを考える方は、ぜひ次のポイントを参考にしてください。

高性能な断熱材を採用する

家の暖かさは断熱材の性能に大きく左右されます。熱伝導率が低いほど熱を通しにくく、高性能です。

たとえば、一般的な硬質ウレタンフォームは約0.024 W/(m・K)ですが、「FPの家」が採用するFPウレタン断熱パネルは0.019 W/(m・K)と業界最高水準で、グラスウール(約0.050 W/(m・K))の2倍以上の断熱性を持ちます。

さらに、断熱材は厚みや施工の精度も欠かせない要素です。高性能な素材を十分に活かすためには、精度の高い施工を行える工務店に依頼することが大切です。

窓サッシのグレードを上げる

住宅のなかでもっとも熱が逃げやすいのが窓です。新築時に高性能な窓を採用することで、将来の快適性や省エネ性が大きく変わります。

窓の性能はサッシ枠・ガラス・充填ガスによって決まります。樹脂サッシはアルミサッシの約1000倍の断熱性を持ち、ガラスはトリプルガラス、充填ガスはクリプトンガスを選ぶとさらに高性能になります。

初期費用は必要ですが、光熱費の削減や長期的な快適さを考えれば十分に価値があります。とくに寒冷地では高性能窓の導入が欠かせません。

こちらの記事では、窓の断熱シートについて解説しています。 効果的な使用方法や注意点も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

吹き抜けやリビング階段は避ける

一般的な住宅では、吹き抜けやリビング階段は暖房効率の面で不利とされることがあります。しかし「FPの家」のように超高気密・高断熱性能を備えた住宅なら、開放的な空間でも快適さを損ないません。

「FPの家」は高い気密性を誇り、一般的な高気密住宅(C値2.0以下)のおよそ20倍もの空気の漏れを防ぎます。そのため暖気の流出を最小限に抑えられ、シーリングファンを併用すれば大空間でも快適な温熱環境を保てます。

寒さを感じにくい暖房方式を選ぶ

高性能住宅では、その性能を最大限に引き出せる暖房方式を選ぶことが大切です。全館空調を導入すれば、家全体を均一な温度に保ち、部屋ごとの温度差を解消できます。これによりヒートショックのリスクを抑えつつ、省エネで快適な環境を実現できます。

床暖房も相性がよく、足元からやさしく暖めるため体感温度が高まり、空気を乾燥させにくいのが特長です。

日光を積極的に取り込める設計にする

日光を積極的に取り込める設計にする

陽と共に過ごす家 北海道/FPホーム (株)FPコーポレーション 住宅部

太陽光は、住まいにとって心強い自然の暖房です。パッシブ設計を取り入れることで、冬の日差しを効率よく活用できます。南側に大きな窓を設ければ、冬の低い角度の陽射しを室内に取り込み、快適さを高められます。

一方で夏は太陽の角度が高いため、庇(ひさし)を設けることで直射日光を遮り、室温の上昇を抑えられます。窓の配置や庇の長さを工夫すれば、冷暖房費を抑えながら、一年を通して心地よく暮らせる住まいを実現できます。

まとめ

新築なのに家の中が外より寒く感じる原因には、窓の性能不足や断熱材の品質、気密性の低さなど、さまざまな要素があります。

カーペットや断熱カーテンといった応急的な工夫で一時的に改善することは可能ですが、寒さを放置するとヒートショックやカビによるアレルギーなど、健康に影響が及ぶリスクも高まります。

根本的に解決するには、窓やドアの断熱リフォーム、壁・床・天井の断熱強化といった性能改善が効果的です。そしてもっとも確実な方法は、新築時から高断熱・高気密を備えた住まいを建てることです。

「FPの家」は、熱伝導率0.019 W/(m・K)のFPウレタン断熱パネルと、高い気密性能によって、一年を通して快適で耐久性の高い住まいを実現します。

吹き抜けやリビング階段のある開放的なデザインでも、暖かさをしっかり保てるのが大きな特長です。快適で健康的な暮らしを叶えるために、地域の気候を熟知したFP会員工務店へぜひご相談ください。

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