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住まいのコラム

2024年11月6日

一坪ってどのくらい?坪数で広さをイメージしよう

住宅の広さを表す単位はさまざまですが、そのなかでも一般的に使われ、よく耳にするのは坪数でしょう。しかし、住宅に対する知識を持っていない場合、坪数を聞いても具体的な広さをイメージできず、困惑することもあります。 今回は、そんな坪数について、一坪がどの程度の大きさか解説します。また、マイホームを建てる際に必要な坪数や、坪数が少なくても広い家に住むための方法なども一緒に取り上げるため、新しい住宅の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

一坪はどのくらいの大きさ?

一坪はどのくらいの大きさ?

それでは、早速一坪の具体的な大きさなのかについて解説します。坪の歴史や畳に換算した場合の大きさなども一緒に紹介するため、順番にチェックしていきましょう。

坪(つぼ)とは

坪とは、現在のようにメートル法が普及する以前の日本でつかわれていた「尺貫法」という計量方法における単位です。長さや距離を尺、重さを貫などで表していました。 農耕地で土地の大きさを表す町や反、日本酒の量を表す升や合、そして釘の長さを表す寸なども、すべて尺貫法で使用する単位です。

尺貫法の歴史は奈良時代 まで遡り、当初は田んぼや畑を測るための単位として使用されていました。日本人は身体の一部を使用して長さや高さを測る習慣があり、坪も土地を測る際の歩数の歩から変化したといわれています。 江戸時代になると、商業地や住宅地の面積を測る基準としても採用され、都市計画に大きな影響を与えました。

商取引における尺貫法の使用は1959年 より禁止され、正式な文書では土地や建物の面積はメートルで表されていますが、業界の慣習として現在でも土地や建物の面積を表す単位として使用され続けています。

1坪の大きさ

一般的に、1坪の大きさは約3.30578平方メートル と定義されています。そして、1平方メートルは約0.3025坪 です。 1坪の縦と横は1間×1間になります。1間は6尺で、1尺は約30.3メートル と定義されているため、1間は約1.82メートル です。

1坪は、 数字が細かい約3.30578平方メートル ではなく、キリがよい3.3平方メートルとする 場合も少なくありません。しかし、3.3平方メートルで計算をすると、広くなるほど3.30578平方メートルで計算した時との誤差も大きくなります。 土地の評価額は立地、そして広さなどが影響するため、とくに高値で土地の売買が行われる大都市では注意が必要です。

土地の実測売買の契約書において、精算単価として坪単価が使われることがあります。契約書で使用されている1坪が3.3平方メートルで定義されているのか、約3.30578平方メートルで定義されているのかは、業者によって異なります。思わぬトラブルを招かないためにも、必ず1坪の定義を業者側に確認しておきましょう。

坪を畳にするとどのくらい?

坪を畳にするとどのくらい?

平方メートルだと数字が細かすぎて覚えられない方も少なくありません。その場合は、約畳2枚分の大きさと覚えておきましょう。 部屋の広さを畳で表す場合、1畳は1.62平方メートル以上 という規則がありますが、実際の畳の大きさは地域によって異なります。

東京をはじめ、東日本の大部分で使用されているのは、江戸間と呼ばれる畳です。大きさは約1.54平方メートル です。 >中京間は、愛知県や岐阜県などの東海地方を中心に使用されている畳で、大きさは約1.66平方メートル です。京間は京都や関西、九州などの西日本エリアで使用されている畳です。大きさは、約1.82平方メートル で最も大きいです。

そして、団地間は公営住宅やアパート、マンションなどで使用される畳で、大きさは約1.45平方メートル になります。部屋の大きさと畳のサイズが違っているように感じた方は、実際の畳の大きさを測って調べるとよいでしょう。

マイホームに必要な坪数は?

住宅金融支援機構が提供している「フラット35」を利用した人に対して行った2023年度調査によると、注文住宅の住宅面積の全国平均は119.5平方メートルで約36坪、建売住宅の全国平均は101.6平方メートルで約31坪でした。 31~36坪の土地に家を建てる場合、2階建て、3LDKや4LDKの間取りで設計されることが多いですが、ウォークインクローゼットやウッドデッキなどを導入したい場合は、もう少し広い土地が必要になります。

マイホームに必要な坪数は、どのような住宅を実現したいかによって異なります。注文住宅を希望するのであれば、坪数が少ないと理想の間取りで家づくりができない可能性もあるため、できるだけ広い土地を用意しましょう。

世帯人数で坪数を考えよう

家を建てるにあたって、購入する土地の坪数は大きければ大きいほどよいと考えられやすいです。とくに大きな家に住みたいと考えている方は、間取り以上に土地の大きさを重視しているでしょう。 しかし、大きい土地はそれだけ高額な予算を用意しなければなりません。また、土地が大きすぎると管理が行き届かず、持て余してしまう場合があります。そのため、土地を探す際は自分のライフスタイル、そして世帯人数を必ず考慮しましょう。

令和3年に閣議決定された「住生活基本計画」では、豊かな住生活を送るための住宅面積の水準が提示されており、世帯数ごとに坪数が割り出せます。 2人世帯の場合、都市の中心とその周辺では約16.6坪、都市部以外では約22.7坪となります。約22坪 あればリビングとキッチン、寝室、夫婦それぞれの部屋を設けられる広さがあります。

また、3人世帯では約22.7坪~30.3坪となり、4人世帯では28.7坪~38.8坪となります。5 人以上、二世帯家族の場合は都市部でも34.7坪以上が必要です。二世帯家族はキッチンや玄関の部分共有、または完全共有をすることで必要な坪数を減らせます。

部屋に必要な坪数の目安は?

必要な坪数の目安は部屋によって異なります。部屋の大きさが適切でないと、生活を送る際に不便を感じやすいです。目安となる坪数を知ることで、暮らしの質を高める間取りを考えられます。 以下では、リビングや夫婦の主寝室などに必要な坪数の目安を取り上げているため、参考にしてください。

LDK

LDKは、それぞれリビング・ダイニング・キッチンを意味します。リビングは居間に該当する部屋で、家族団欒のスペースとして広めに設計されることが多いです。 ダイニングは食堂のことで、日本ではキッチンやリビングと一緒になっているダイニングキッチンや、リビングダイニングもあります。

そして、キッチンは台所のことです。部屋として独立しているものもあれば、部屋の一部に調理コーナーが設けられているものもあります。 LDKは、8~9坪 で設計されるのが一般的です。最近では個室の広さよりもLDKの広さを重視する方も増えているため、LDKを20畳以上 の広さで設計することも少なくありません。

必要なLDKの広さは、どのような家具を配置するかによっても変化します。間取りを考える際は、こだわりたい配置や家具をあらかじめ頭に入れておきましょう。

夫婦の主寝室

夫婦の主寝室の適切な坪数は、配置する家具の大きさや寝る人数によってさまざまです。一般的な1人用の寝室であれば、2坪程度 でも問題なく過ごせます。夫婦の寝室として利用する場合は、3.5~4坪 が一般的です。 ダブルベッドだけを置き、それ以外はサイドテーブルなど最小限で済む場合は、3.5~4坪あれば寝室として利用できます。ドレッサーやテレビを設置する場合は、6坪あると安心です。

また、寝室は坪数だけではなく部屋の形も一緒に考えるようにしましょう。寝室で快適に過ごせるように、広めの坪数を確保できたとしても、凹凸が多いとベッドをはじめとする家具の配置が困難になり、デッドスペースが生まれる可能性もあります。 そのため、寝室の形は正方形や長方形など、できるだけシンプルな形にしましょう。正方形の寝室は奥行きも通路も確保できるため、圧迫感の少ない部屋に仕上がります。

長方形の寝室はスペースを区切りやすいため、ベッド以外の家具の配置を考えている場合におすすめです。

子ども部屋

子ども部屋の広さは2~3坪 が一般的です。子ども部屋の広さを考える際は、子どもがどのように部屋で過ごすか考えましょう。 子ども部屋の使い方はさまざまですが、ベッドや学習机などを配置できる広さが確保できると安心です。また、子どもの年齢、そして生活スタイルによっても必要な広さは異なります。部屋を使用する子どもが小さければ、多少部屋が狭くても問題はありません。

しかし、中高生になると大人と変わらない体格になる子どもも珍しくないため、その場合はできるだけ広い部屋を用意する必要があります。 また、子どもの体格が小さくても、室内で過ごす時間が長ければ、快適に過ごせるように広い坪数を確保した方がよいでしょう。

収納

収納はあとから簡単に追加できないため、設計の段階で適切な数と広さを確保することがおすすめです。各部屋に設ける収納の坪数は、1坪程度 が一般的です。 収納の目的によって、適切な坪数は異なります。シューズクローゼットやウォークインクローゼットの場合、1~2坪 ほど確保できると安心です。

シューズクローゼットは、靴以外にも傘や掃除道具などを収納します。花粉対策などで、シューズクローゼットにコートをはじめとする衣類をかけるスペースを設置したい場合は、さらに広いスペースが必要になります。 ウォークインクローゼットも、シューズクローゼットと同じく衣装ケースやスーツケースなどを置く場合、広めに坪数を確保しましょう。キッチンのパントリーや納戸は、1坪程度 あれば十分といえます。

坪数を考えるポイント

坪数によっては、建てられる住宅に制限が生まれるため、どの程度坪数を確保するかは重要なポイントです。 しかし、初めて家を建てる方にとって、目安となる坪数の把握は簡単ではないでしょう。以下では、家を建てる際に押さえておきたい、坪数の考え方について解説します。

間取りは土地の向きによって大きく異なる

土地の向きとは、敷地に面している道路がある方角のことです。そのため、北側に道路がある土地は北向き、南側に道路がある土地は南向きと呼ばれます。 土地の向きによっては、希望する間取りが実現できない場合もあるため、新しく住宅を建てるにあたって、土地の向きは必ず意識しましょう。

たとえば、日当たりを考慮して設計した場合、南向きの土地を想定して作られた間取りを北向きの間取りとして採用すると、日の当たり方が真逆になるためそれぞれの間取りの良さを活かせません。 どのような間取りを希望するのか、その間取りを実現するためにはどのような土地が必要なのか、事前に把握しておきましょう。

ただし、土地の向きにこだわりすぎると選択肢を自ら狭めてしまうため、希望条件に優先順位をつけて、柔軟な土地選びを目指してください。

必要な部屋数と収納量を把握する

坪数を決める際は、必要な部屋数、そして収納の数を把握してからにしましょう。リビングや寝室以外にも、在宅で仕事をする機会が多い方は専用の仕事部屋、来客が多い場合は客間などがあると便利です。 子どもがいる場合は、人数分以外の子ども部屋だけでなくフリースペースを設けるのがおすすめです。子どもたちの遊び場になるだけでなく、大人も趣味のためのスペースとして活用できます。

収納の数は、現在手元にある荷物だけではなく、将来的に増える荷物も考慮して決定しましょう。また、収納の設置場所は生活動線を意識しながら決めましょう。 その際、実際に配置する家具や家電を間取りに書き込むと、より具体的なイメージを持ちやすいです。

子ども部屋の数が確定できない場合

家庭によっては、子どもの数が将来的に増える可能性があるため、子ども部屋の数を確定できないこともあるでしょう。その場合は、子ども部屋の数を無理に確保するよりも、大きな子ども部屋を用意するのもおすすめです。 大きな子ども部屋は、パーティションやカーテンなどで区切ることで複数の個別空間を確保できる点が強みです。DIYが得意であれば、簡易的な壁を作成して仕切りにすることも可能です。

ただし、将来的に仕切ることを想定した部屋を設ける場合は、コンセントの配置や出入り口の数なども考慮して設計しましょう。

1階と2階のバランスを考慮する

1階と2階のバランスを考慮する

同じ延べ床面積でも、1階と2階のバランスによって施工費用は大きく変動します。たとえば、1階と2階が20坪の住宅と、1階が30坪で2階が15坪の住宅は、基礎が大きくなる分後者の方が材料費や施工費用は高くなるため、できるだけ1階と2階で面積に差が生まれないようにしましょう。

また、1階と2階のバランスだけではなく、部屋の配置にも注意が必要です。寝室の真上に人の出入りが多いリビングを配置しない、ランドリーと洗濯物を干すサンルームやベランダとの距離を離しすぎないなど、生活環境の快適性を考慮した間取りが重要です。

建物の形状を考慮する

建物の形状も、施工費用に影響を与えます。一般的に、凹凸の多い複雑なデザインの住宅よりも、シンプルなデザインの住宅の方が施工費用は安いです。 また、建物の形状は耐久性にも深く関わっています。たとえば、L字の建物は個性的な外観をしていますが、地震が発生すると各々の棟部分が異なる揺れ方をするため、接合部分から崩壊する可能性が高いです。

最近では施工技術も向上しているため、簡単に崩壊することはありませんが、それでも影響を受けやすい事実は変わりません。安全性、そして予算の面から考えても、できるだけ外観や間取りはシンプルにしましょう。

坪数が少なくても広い家に住む方法

新しく家を建てるにあたって、予算や希望条件に合致する土地を見つけられず、坪数を妥協する方は少なくありません。 広い家に住みたい方にとって、坪数は譲れないポイントでしょう。しかし、工夫次第で、狭い土地でも広い家に住むことはできます。坪数が少ない土地でも広い家を建てる具体的な方法は、以下のとおりです。

部屋数を多く作りすぎない

部屋数を増やしすぎないことで、広いスペースが確保できます。部屋数が増えるほど一部屋あたりの面積は狭くなるため、数を厳選することで快適な部屋作りができるうえ、光熱費の削減や掃除の手間を省けます。 部屋数は、家族構成やライフスタイルなどから、総合的に判断して決定しましょう。必要に応じて、工務店やハウスメーカーなどのプロに相談するのもおすすめです。

収納スペースは場所を工夫して適切な数にする

収納スペースを設ける際は、具体的な生活のイメージを持って決めることが重要です。収納スペースは数が多い方がよいと考えられやすいですが、適切な数で配置することで無駄なスペースを作らず、作業効率アップにもつながります。 また、収納スペースの設置場所にも工夫が必要です。必要な数の収納スペースを設けようとしても、土地の坪数によっては実現できない場合もあります。

その際は、床下や屋根裏などのスペースを利用しましょう。とくに屋根裏は、収納だけでなくフリースペースとしても活用しやすいです。

明るさと開放感

明るさと開放感

実際よりも部屋を広く見せるにあたって、明るさと開放感は欠かせません。内装は白やアイボリーをはじめとする、淡く明るい色にしましょう。 日光や照明の光が柔らかく反射するため、部屋全体が広く明るい雰囲気になります。椅子や机などの家具の色合いを内装と合わせると、家具が空間に溶け込むため部屋を広く感じさせられるでしょう。

できるだけ多くの光を取り込みたい場合は、吹き抜けを設けるのもおすすめです。吹き抜けがあれば、天井が自然と高くなるため視覚的に広く見えます。 また、窓の位置が高くなることでより自然光を室内に取り込みやすく、日照時間が短い冬でも屋内の明るさを保ちやすいです。

無駄なスペースをなるべく作らない

坪数を無駄に消費するデッドスペースを最小限に抑えることも、広い家づくりにおいて欠かせないポイントです。住宅を建てるにあたって、デッドスペースはどうしても生まれてしまいますが、工夫次第で削減、または有効活用できます。 たとえば、デッドスペースが発生しやすい階段下は、掃除道具やストック品を片付ける収納スペースとして利用可能です。通路が多すぎるとデッドスペースが発生しやすくなるため、できるだけ廊下の数も減らすようにしましょう。

坪数に関する土地選びの注意点

最後に、坪数に関する土地選びの注意点について解説します。これから住宅を建てる予定の方は、ぜひ参考にしてください。

予算を立ててから、土地を購入する

土地を購入するにあたって、必ず予算を立てておきましょう。あらかじめ予算を決めておくことで、土地探しをスムーズに進められます。予算は土地の購入代金だけではなく、建物工事や外構工事も含めて考える必要があります。 予算を立てる際は、事前に土地の購入エリアや希望条件を決めておきましょう。エリアは通勤や通学などの利便性を考え、複数の候補地をピックアップします。選択肢を広げることで、理想の土地を見つけやすくなるでしょう。

また、必ずすべての希望条件を満たす土地と出会えるとは限らないため、希望条件には優先順位をつけておくと判断しやすくなります。

要望を明確にしておく

土地探しをする際は、要望も明確にしておきましょう。平家を建てたい、庭が欲しいなど、要望によっては広い土地を用意しなければなりません。 その場合、計画的に土地探しをしなければ、希望条件を満たす土地を探し出すのは困難です。とくに都市部をはじめとする、人気エリアで土地を探す場合はとくに注意しましょう。

こちらの記事では、マイホームが欲しいと思ったときにするべきことを解説しています。住宅を建てる場合と購入する場合、それぞれ手順も紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

一坪の具体的な広さ、そして住宅を建てるにあたって押さえておきたい坪数のポイントについて取り上げてきました。希望する住宅によっては、広い坪数が必要になる可能性もあるため、事前に必要な坪数を把握しておきましょう。

坪数で悩んでいる方は、工務店にご相談ください。とくに、地域特性や気候風土について詳しい工務店に依頼することがおすすめです。

「FPの家」は、建築する土地の地盤や雨量、風の強さなど、地域の気候に関する豊富な知識を持った地元工務店が建築施工しています。住宅性能の高さはもちろん、自由な設計で世界にひとつだけのマイホームの実現が可能です。定期的に相談会も実施しているため、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。