近年、和風と洋風を融合した「和モダン」の外観を取り入れた住宅が人気です。和モダンな家を建てたいけれど、家づくりに関する知識がなく、自分では決められないという方も多いでしょう。
長く愛着を持って住めるおしゃれな家に仕上げるには、コツを押さえることが大切です。本記事では、和モダンが人気な理由とおしゃれな外観にするコツを解説します。注文住宅を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
和モダンの外観が人気な理由
和モダンの外観が人気な理由は多岐にわたります。ここでは、おもな4つの理由を解説します。
おしゃれな印象があるため
スタイリッシュな和の家 福井県/(株)ライフ・コア デザインオフィス
和モダンの外観は、和風テイストと現代的なデザインを組み合わせたおしゃれな印象が特長です。日本人に馴染みのある和のテイストならではの重厚感や高級感と、現代的でスタイリッシュなスタイルの融合は、和風の家屋が多いエリアでも違和感なく調和します。
また、近年は住まいの洋風化が進んでおり、従来の和風スタイルだと暮らしづらいという方も少なくありません。和モダンの家であれば、洋風の暮らしを取り入れながら、おしゃれに日本のよさを楽しめる点も魅力です。
そのほか、グレーやネイビーなど彩度が低く、落ち着いた色合いを取り入れる点も和モダンの長所といえるでしょう。明るめの色よりもスタイリッシュな印象に見せやすく、おしゃれな雰囲気が好きな人からも高く評価されています。
シンプルなデザインで長く愛されるため
和モダンの外観の大きな特徴は、直線や無機質な素材をうまく取り入れたシンプルなデザインです。個性的なデザインの外観も魅力がありますが、時間の経過とともに飽きがくる可能性があります。
一方で、和モダンの無駄を削ぎ落としたシンプルな造りは、時代に左右されにくく、長期間にわたり愛される点が魅力です。マイホームを建てるなら、長く愛せる家づくりをしたいものですが、和モダンであれば時を経てもおしゃれで上品な雰囲気を堪能できます。
自然素材で優しい住環境を作り出せるため
和モダンの外観が人気の理由のひとつに、自然素材の美しさや機能性を生かす点が挙げられます。自然素材は、見た目の柔らかさだけでなく、機能的にも優れています。
たとえば、木材や土などの素材は、調湿性に優れており、快適な室内環境を保つのに効果的です。外壁に多く用いられる漆喰は、湿度の調整に加えて消臭効果も期待できます。
また、こうした自然素材は、持続可能な資源であり、サステナブルな観点から見ても価値が高いでしょう。そのため、和モダンの住宅は、外観だけでなく機能性の高い住宅を望む人からも人気があります。
日本の気候に適しているため
和モダンの家は、四季のある日本の気候に適しています。とくに、近年の日本の夏は気温が35度を超える日も少なくありません。あわせて湿度も高くなりますが、土壁や漆喰といった調湿機能を持つ自然素材を多く取り入れた家は、湿度管理がしやすいといったメリットがあります。
また、和モダンな家では、日本の伝統的な工法である「木造軸組工法」を採用するケースが一般的です。いわゆる「在来工法」ともいわれ、耐震性や耐風性、耐久性が高い点も、季節によって温度や湿度の変化が激しい日本の気候風土に適しています。
「FPの家」で採用しているのは、この「木造軸組工法」に独自のウレタン断熱パネルを採り入れ、さらに堅牢さと性能を増強した「FP工法」です。日本の風土に適した木造軸組工法にウレタン断熱パネルを加えることによって、まるで魔法瓶のように、1年中快適な住まいを実現していることが大きな特長です。
おしゃれな和モダンの外観にするコツ
おしゃれな和モダンの外観にするには、コツを押さえることが大切です。ここでは、5つのコツを詳しく解説します。
シンプルな外観にする
和モダンの外観をおしゃれに仕上げるためには、シンプルなデザインを取り入れることが重要です。過度な装飾や派手な色合いを用いると、まとまりが悪くなる可能性があります。一方で、シンプルな外観は洗練された印象を与え、落ち着いた雰囲気を演出しやすいでしょう。
また、視覚的な統一感を生み出し、飽きのこない外観を実現するうえでも、重要なポイントです。たとえば、建物の形状をシンプルにして、無駄のないラインを意識したデザインにすると、すっきりとした印象をもたらします。外観には単色の塗り壁や木材を使用するとよいでしょう。
加えて、窓枠や玄関も直線的なデザインだと、モダンな雰囲気が強調されてスタイリッシュに仕上がります。このように、できるだけ不要な要素は抑えてシンプルな外観を意識すると、和モダンの魅力やアクセントを最大限に生かした飽きのこないデザインにつながります。
屋根の形状にこだわる
屋根の形状も、和モダンの外観の家に欠かせないポイントです。
たとえば、一般的な和風住宅に使用される「切妻屋根」は和モダンの外観にもマッチします。切妻屋根は「三角屋根」ともいわれる形状で、日本古来の建物が持つ重厚感と安定感があり、現代的なデザインに落ち着いた雰囲気を与えられるでしょう。
また、屋根の片側に勾配がついた「片流れ屋根」は、スタイリッシュな印象を楽しむのに適しています。とくに、平屋の家は片流れ屋根が適しており、将来を見据えて高齢になってからも暮らせる家づくりを目指す肩にもおすすめです。
そのほか、軒先の深さを意識して屋根を設計すると、耐久性や快適性が上がります。軒の下にウッドデッキを作れば、部屋の内側と外側とのつながりを演出するのにも役立つでしょう。
このように、屋根の形状が変われば、家全体のイメージも変わります。事前に理想の全体像を明確にしてから、検討することが大切です。
自然素材を利用する
和モダンの外観をより魅力的にするためには、自然素材を活用することが重要です。
木や石などの自然由来の素材を取り入れることで、温かみのあるデザインになり、周囲の環境と調和しやすくなります。とくに、木目などは外観に温もりをプラスするだけでなく、高級感も与えてくれる要素のひとつです。
また、こうした自然素材は、住まいの快適さを向上してくれる側面もあります。たとえば、外壁に用いられる漆喰は、見た目が美しいだけでなく、優れた調湿効果を持つ素材としても知られています。年を重ねるごとに味わいを増す経年変化も、漆喰の魅力といえるでしょう。
そのほか、軒天井やウッドデッキなどにも天然の木材を用いることで、統一感を出しやすくなります。このように、自然素材を適切に活用すると、和モダンの外観に深みを持たせ、よりおしゃれに演出できるでしょう。
落ち着きのある色を選ぶ
和モダンの外観をおしゃれに仕上げるためには、落ち着きのある色を選ぶことが大切です。
派手な色合いではなく、自然と調和する色を用いることで、洗練された雰囲気を演出し、上品な印象を与えられます。たとえば、外壁には白やベージュ、グレーといった柔らかな色を選ぶことで、シンプルながらも洗練されたデザインになります。
木材の自然な風合いを活かしたブラウン系を取り入れて、和の雰囲気を引き立てるのもよいでしょう。さらに、屋根や窓枠にダークトーンを用いると、全体の印象が引き締まり、モダンな印象を強調できます。
また、落ち着いた色を選ぶだけでなく、使用する色味を少なめにする方法も和モダンの外観を仕上げるコツです。多数の色を用いると、色同士が打ち消し合ったり、喧嘩したりする可能性があるためです。
外構とトータルコーディネートする
外構のデザインも、和モダンの外観を美しく仕上げるうえで欠かせないポイントです。住宅のデザインと外観が統一されていれば、全体のバランスが取れて、洗練された印象を与えられます。
たとえば、玄関のアプローチには自然石や砂利を取り入れると、落ち着いた雰囲気を演出することが可能です。また、門やフェンスには木材や格子を用いて、和の趣を引き立てつつ、外観との一体感を高めるとよいでしょう。
加えて、植栽は紅葉する和風の庭木を選ぶと、四季折々の変化を楽しめる庭づくりができます。このように、外構と住宅のデザインとの調和により、和モダンの美しさが際立ち、より魅力的な住まいを実現できます。
そのほかに大切なポイント
和モダンの外観の家を実現するためには、デザインや素材だけでなく、プライバシーやメンテナンス、機能性などにも留意することが大切です。ここでは、5つのポイントを解説します。
家族のプライバシーに配慮する
和モダンの外観の家を建てる際は、家族のプライバシーにも気を配りましょう。周囲の視線を適度に遮る仕様にすると、落ち着いた暮らしや快適な住環境の実現につながります。とくに、住宅密集地で隣近所が近い場合、あまりにオープンな設計にするとプライバシー面での不安が残ります。
プライバシーに配慮するためには、道路に面した窓の配置を工夫する必要があります。少し高めに設置したり、すりガラスを活用したりするのもよいでしょう。また、格子や植栽を取り入れると、目隠しとして機能しながらも、採光や通風を確保できます。
そのほか、中庭の設置もプライバシーやセキュリティ向上に有効です。中庭であれば、外部からの視線をシャットアウトしながら、開放的な空間作りができます。
隣家からの視線を遮るには、門やフェンスも役立つでしょう。設置する際は、高さやデザインを統一して、外観との調和を測ることが大切です。
メンテナンスのことを考える
和モダンの外観を美しく保つためには、メンテナンスのしやすさを考慮することが重要です。
家は、何十年と暮らす大切な場所ですが、時間の経過とともに劣化するところも出てきます。とくに、和モダンの家は自然素材を生かす傾向にあり、適切な処理がされていないと、劣化が早まる可能性があるでしょう。
家を建てる際は、メンテナンスしながら長く暮らしていくことを考えて、適切な素材やデザインを選ぶ必要があります。たとえば、外壁には、耐久性の高い塗り壁や金属サイディングを採用するのもよいでしょう。これらの素材であれば、汚れや劣化を抑えられます。
また、木目を生かしたデザインであれば、塗装や防腐処理が施された木材を選ぶと、色褪せや腐食防止が可能です。そのほか、雨水による影響を軽減するために、屋根や軒の適切な設計も欠かせません。
住宅の機能性を重視する
和モダンの家の暮らしを快適にするには、機能性を考慮することも不可欠です。見た目やデザインだけに注力しすぎると、快適度が下がる可能性があるため注意しましょう。
とくに、日本の気候には高断熱・高気密性能を重視した構造がおすすめです。夏は涼しく、冬は暖かい室内環境を実現できるため、近年の酷暑でも快適に過ごしやすいでしょう。
また、通風や採光を意識した間取りにより、自然の風を活用したエネルギー効率の高い住まい作りが可能です。そのほか、複層ガラスや二重窓を設置したり、エネルギー性能の高い設備を取り入れたりする方法もあります。
モデルハウスや見学会に参加する
和モダンの外観を理想通りに実現するためには、モデルハウスや見学会への参加も重要です。実際の住宅を見学することで、デザインや素材の質感、空間の雰囲気を体感し、より具体的にイメージしやすくなります。
たとえば、モデルハウスでは外壁の素材感や色の印象を確認できるため、カタログだけではわからないリアルな情報を得られるでしょう。また、間取りや採光の工夫も体感できるため、住みやすさの参考になります。
さらに、施工事例や実際に住んでいる人の声なども判断材料になり、住宅の性能やメンテナンスのしやすさも把握できます。
実績のある工務店や建築会社に依頼する
実績のある工務店や建築会社に依頼することも、理想的な和モダンの家を実現させる重要なポイントです。経験豊富なビルダーであれば、デザインの再現性が高く、施工の質も安定しているため、満足度の高い仕上がりが期待できます。
工務店を選ぶ際は、過去に手がけた事例をチェックしましょう。和モダンの住宅を担当した事例が多い工務店であれば、素材の扱いやデザインのバランスなどにも長けており、安心して設計を任せられます。
また、公式ページで実際の施工例を確認するほか、口コミを参考にする方法もおすすめです。
高気密・高断熱と自由設計を実現した「FPの家」は、地域の気候風土を知り尽くした全国の「FPの家」ビルダーによって建築施工されています。高い技術と資格を持った職人達が、一つひとつのご家庭に寄り添いながら、ご施主様の理想を叶える丁寧な家づくりに努めています。
まとめ
和モダンの外観は、シンプルでおしゃれな印象があり、長く楽しめるため人気があります。しかし、ポイントを押さえて設計しなければ、まとまりが悪くなる可能性があるため注意しましょう。
たとえば、直線を意識したデザインや落ち着いた色合いを取り入れると、スタイリッシュな印象に仕上げやすいでしょう。また、デザインだけでなく、機能性やメンテナンスのしやすさ、プライバシーなどにも留意する必要があります。窓の位置や外構、庭づくりなどにも注力しながら、外観とマッチする雰囲気を意識しましょう。
全国の「FPの家」ビルダーは、快適な住み心地が長く続く、安心・安全の住まいづくりをご提案しています。和モダンの家にも欠かせない、高断熱・高気密の家にも対応しているので、ご検討中の方はお気軽にご相談ください。