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住まいのコラム

2024年11月6日

住宅の台風対策!台風に強い住宅をつくる方法を徹底解説

住宅の被害を最小限に抑えるために、台風対策をしっかりと行いたいと考える方は多いでしょう。台風シーズンになると毎年大きな災害が発生しており、住宅が台風による被害を受けるケースも少なくありません。 台風から住宅を守るために、窓やシャッターを閉めたり、飛ばされそうな物を固定したりするなどの対策を行った経験がある方も多いでしょう。では、台風が来たときに住宅を守るためには、具体的にどのような対策が必要なのでしょうか。

本記事では、住宅の台風対策や台風による被害の種類とともに、台風に強い住宅の特徴や強い住宅を作る方法について解説します。台風対策を行いたいと考える方は、ぜひ参考にしてください。

台風による被害の種類

台風による被害の種類

台風は大雨や暴風をもたらし、さまざまな被害を引き起こします。台風によって引き起こされる被害には、風害、水害、土砂災害、高潮害、波浪害などがあります。 これらの被害は単独で発生するのではなく、複合して発生することでさらに大きな被害となります。ここでは台風による被害の種類を理解していきましょう。

風害

台風が接近・通過しているときは、猛烈な風が吹き荒れます。風速15~20m/秒になると歩行は困難になり、転倒するリスクが高まり危険です。 また、風が強くなると、建物の損壊や公共交通機関のストップなど、深刻な被害が発生する場合もあります。とくに台風による風害として多いのが、屋根に上っていて風にあおられて転落するケースや、風によって飛んできた物にあたってケガをするケースです。

過去上陸した台風のなかには、最大瞬間風速が約60m/秒を記録したものもあります。時速換算すると216km/時となるため、どれほどの威力があるのか想像しやすいでしょう。 台風が接近・通過しているときは危険なため、むやみに外出せずに自宅や安全な場所で待機するようにしましょう。

水害

台風が上陸した場合、短時間に大量の雨が広範囲で降り、水害が発生する可能性が高くなります。 河川の増水や堤防の浸食・決壊により川が氾濫すると洪水となり、住宅の床上浸水や床下浸水などが起こります。また、排水が追い付かずに用水路や下水溝に水があふれると、住宅や田畑が浸水することもあるでしょう。

近年、アウトドアの人気が上がる一方で、上流での雨によって川が増水し、キャンプ中に中州などに取り残されるケースが増加しています。

土砂災害

土砂災害

台風によって大雨が降ると、土砂災害が起こる危険性が高くなります。 山腹や川底の石、土砂が台風による集中豪雨によって一気に下流へと押し流される「土石流」は土砂災害のひとつです。また、急な傾斜の崖や山の斜面が突然崩れ落ちてしまう「崖崩れ」が起こるケースもあります。

土砂災害は、一瞬にして人の命や家などをうばう恐ろしい災害です。すさまじい破壊力を持っているため、土砂災害から身を守る必要があります。自分が住んでいる地域が土砂災害警戒区域に指定されている場合は、十分な注意をしましょう。 台風が接近しているときは、土砂災害警戒情報を必ずチェックし、万が一の場合に早めに避難しておくことをおすすめします。

高潮害

台風による強風が海岸に向かって吹き付けられると、海水が海岸付近に押し寄せて海面が上昇する「吹き寄せ効果」という現象が起こります。 また、台風の接近にともなって気圧が低下すると、海面が持ち上がる「吸い上げ効果」という現象も起こりやすくなります。これらの異常な海面上昇が台風による「高潮」です。

海岸堤防などを超える高潮が発生してしまうと、広範囲に浸水被害が起こる恐れがあるため、早めの避難を心がけましょう。

波浪害

台風の接近にともない、波が高くなります。この高波による被害が「波浪害」です。台風の中心付近は10mを超える波が発生することもあり、台風による高波がうねりとなって押し寄せるケースもあります。 海岸近くにいると高波によって海に流されてしまいます。台風が接近しているときに釣りやサーフィンをしている人や、海の様子を見にいった人が高波にさらわれて命を落とす事故は毎年起きています。

波浪警報や注意報が発令されているときには、海岸には近づかないように気をつけてください。

住宅の台風対策:家の外

台風による被害を最小限に抑えるためには、前もって万全に対策を講じておくことが大切です。では台風から住宅を守るためには、どのような対策が効果的でしょうか。 ここでは家の外における住宅の台風対策をまとめます。

自宅周辺の側溝・排水溝を掃除する

大雨によって側溝や排水溝が詰まってしまうと、浸水や水漏れしやすいです。 ゴミ、枯れ葉、泥などがたまっていると、排水ができずに詰まってしまい、その周辺で劣化や腐食が進んでしまうケースがあります。その状態になると小さいすき間から水が侵入して雨漏れの原因となります。

排水溝のつまりは、水の逃げ場がなくなり浸水しやすくなるため、台風前には自宅周辺の排水溝や側溝、雨どいの掃除をしましょう。 また、自宅周辺だけではなく、ベランダやバルコニーの排水溝にゴミがたまっていないかも確認しておきましょう。バルコニーやベランダが詰まるとあふれた水が室内に流れこむ危険性があります。

ベランダやバルコニーの排水溝は日頃からこまめに掃除しておくとよいでしょう。

飛ばされそうなものを固定・屋内に入れる

強風・暴風によってものが飛ばされてしまうと、自宅はもちろん周辺の住宅にも被害を及ぼす可能性があります。台風によって飛ばされる危険性があるものは、基本的に玄関など屋内に入れるか、しっかりと固定しておきましょう。 鉢植えなどの園芸用品や物干し竿、サンダル、テラスのテーブル・椅子、自転車、DIY用品などは屋外から撤去します。

また、室外機も台風によって転倒する可能性があるため、転倒防止金具などでしっかりと固定しておくと安心です。移動が難しいものは、吹き飛ばされないように固定しておきましょう。

屋根を点検する

屋根を点検する

台風による暴風によって、屋根が飛ばされる住宅は多いです。屋根瓦が飛んでしまうと雨漏りの原因になり、周囲の家へ被害が及ぶ可能性もあります。 自宅の屋根に自ら登って点検するのは難しいため、知らない間に劣化が進んでしまうケースも少なくありません。台風による雨漏りや屋根材の飛来を防止するためにも、定期的に屋根の点検をするようにしましょう。

屋根の点検は、外装業者や屋根塗装業者など専門会社に依頼します。一気に破損して修繕すると、まとまった修繕費が必要になりますが、普段から定期的に点検を行い、こまめに補修しておけば最終的なコストは抑えられるでしょう。 何年も屋根のメンテナンスを行っていないという住宅は、台風が来る前に一度チェックしておくことをおすすめします。

住宅の台風対策:家の中

近年は、台風が上陸する頻度が高くなっているため、大切なマイホームを守るために事前の台風対策が重要です。ここでは住宅の台風対策として、家の中でできることについて紹介します。家の外、家の中どちらの台風対策もしっかりと行いましょう。

非常用品を用意する

非常用品を用意する

台風が通過している間は買い物など外出できません。また、電気やガス、水道などのライフラインがストップしてしまう可能性もあります。いざというときに備えて保存食などの非常用品を備蓄しておきましょう。

準備しておきたい非常用品は、食料品(乾パン、缶詰、レトルト、粉ミルク、クラッカーなど)や飲料水、貴重品(印鑑、通帳、現金、健康保険証など)、常備薬、乾電池、モバイルバッテリー、懐中電灯、ラジオ、衣類やタオル、軍手、マスクやナプキンなどの衛生用品、ヘルメット、カッパ、トイレットペーパーなどがあります。

飲用水は断水なども考慮して1人1日3Lで、家族全員の3~7日分用意しておくと安心です。食料も家族の3日分を目安に備えておくとよいでしょう。 また、スマートフォンを充電するためのモバイルバッテリーは欠かせません。モバイルバッテリーや懐中電灯はきちんと使用できるかを定期的に確認しておくことをおすすめします。

非常用品はリュックなどにまとめて、手に取りやすい玄関などの場所に置いておきます。非常用品は台風だけではなく、地震などの災害時にも使えるので備えておいて損はありません。

生活用水を確保する

台風が直撃した場合は断水が続くこともあるため、飲料用水とは別にトイレやお風呂、手洗いなどに使用する生活用水を確保しておきます。お風呂の浴槽やバケツなどに水を溜めておくと、トイレや手洗い、食器洗いなどに使いやすいでしょう。

土のう・水のうを用意する

台風前には室内への浸水を防ぐために、土のうや水のうを用意しておきましょう。とくに川沿いに住んでいる方や、低地に自宅がある方は浸水するリスクが高いので、土のうや水のうを用意しておくと安心です。 土のうとは雨水の侵入を防ぐ土木資材のことで、台風予報が出ると、各市町村の役場や消防署などで無料配布している地域もあります。自由に土のうを持ち帰れる「土のうステーション」を設置している自治体もあります。

土のうに入れる土砂がない場合、ホームセンターなどに売っている吸水ポリマーを使用した簡易土のうでも問題ありません。土のうはブルーシートで包むとより効果的でしょう。 また、土のうではなく水のうも浸水対策におすすめです。水のうは、二重にしたゴミ袋に水を入れたものや、水を入れたペットボトルを段ボールに詰めたものなどがあります。

土のうの並べ方は以下のとおりです。

1、土のうを置く場所にブルーシートを敷く
2、土のうの縛り口を家側に向けて並べる
3、並べた土のうは軽く踏み固めて、すき間がないように密着させる
4、1段目を並べ終わったら、2段目を互い違いになるように重ねていく
5、ブルーシートで土のう全体を包む

適当に並べたのでは浸水を食い止めることはできません。すき間なく並べることで、堤防の役割を果たすため、土のうを積むときには積み方に注意しましょう。

窓やシャッターを閉めて鍵をかける

台風の暴風によって、飛来物で家が破損する可能性があります。飛来物による窓の破損に備えて、台風が来る前に窓、雨戸、シャッターを閉めて鍵をかけましょう。窓をむき出しにすると、飛来物で窓が割れてしまう危険性があるため、むき出しにしないことがポイントです。

台風時には、窓の保護を忘れずにしましょう。

窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る

自宅の窓にシャッターや雨戸がない家庭もあるでしょう。その場合は、窓ガラスに飛散防止フィルムや強化フィルムを貼っておきます。 飛散防止フィルムは、飛来物などによって窓ガラスが破片した際に、ガラス破片が飛び散らないように防ぐフィルムです。台風対策だけではなく、食器棚や家具のガラス部分に貼っておくと、地震の防災対策にもなります。

飛散防止フィルムは、紫外線を99%以上遮断してくれる透明なフィルムで、窓サイズに合わせてカットして使えるので便利です。窓ガラス飛散防止フィルムを貼っておくと、万が一窓ガラスが破損した場合に、破片の散らばりを最小限に抑えられるでしょう。 自宅に飛散防止フィルムがないという場合は、段ボールや養生テープなど自宅にあるもので窓ガラスを保護します。養生テープを室内側にすき間なくガラス全体を覆うように貼り付けておけば、ガラスの破片が散らばるのを防止できるでしょう。

カーテンやブラインドを下ろす

カーテンやブラインドを下ろす

強風にあおられて飛来物が飛んできた場合、窓ガラスが破損するケースがあります。窓ガラスが割れると、ガラスの破片が部屋に散らばってしまうため、万が一に備えてカーテンやブラインドを下ろしておきましょう。

カーテンやブラインドを下ろしておくことで、ガラスの破片でケガをしないように予防できます。台風の前には、窓の保護をしっかりと対策しておきましょう。

台風に強い住宅の特徴

日本では、台風による被害が毎年発生しているため、台風対策をしている家づくりが必須です。家の強度はもちろんですが、台風の影響を受けにくい土地に家を建てることも大切です。ここでは台風に強い住宅の特徴を紹介します。

平屋もしくは三階建て

平屋もしくは三階建て

平屋や三階建ては台風対策の住宅としておすすめです。平屋は台風や地震などの自然災害に強いと言われています。 通常の二階建ての住宅では、雨風があたる壁面積が大きくなるため、台風の影響を受けやすいです。一方、平屋であれば二階がないため、重心が低い位置にあり安定感があるため、雨風の影響を受けにくくなります。

平屋は低い構造なので、風圧の影響も受けにくく、建物が倒壊しにくいです。周囲の建物が二階建て以上であれば、それらの建物が壁となって風を防ぐこともできます。 地震でもシンプルな構造で揺れに強く、耐震度に優れていると言われています。強風による飛来物に関してもフェンスなどで囲っておくことで、家への衝突から守ってくれるでしょう。

ただし、平屋の場合は台風時のデメリットもあります。浸水に弱く、床上浸水してしまうと非難する場所がありません。平屋を建てる場合には、浸水被害が起こりにくい土地がおすすめです。 また、三階建ての住宅も浸水の被害を受けにくいため、台風対策の家と言えます。三階建てで生活スペースを二階以上にしておけば、浸水の被害を免れるでしょう。

三階建てであれば、広い土地がなくても床面積を増やせるため、敷地が狭い場合の台風対策・水害対策の住宅として人気です。

かさ上げをしている

一階部分の位置を高くするために盛り土などでかさ上げしている住宅は、台風に強いです。とくに河川が近くにある土地にお住まいの場合、住宅をかさ上げして、地面からの距離をなるべく遠ざけることで浸水を防げます。 住宅のかさ上げは、既存の建物であっても後からリフォームが可能なため、水害に向けた補強工事としておすすめです。

台風時はたくさんの雨が短時間に降るため、建物が周囲よりも低い位置に建っていると浸水のリスクが高くなります。盛り土をして道路や隣家よりも高い位置に家を建てれば、浸水のリスクは軽減できるでしょう。 家を建てる際には、基礎や設計する地盤面の高さについて確認すると安心です。

標高が高い土地に住宅を建てている

台風対策のできた住宅にするには、家を建てる土地選びが大切です。浸水の可能性が低いエリアを選ぶ必要があるため、市町村がハザードマップなどで確認しましょう。

水害や土砂崩れなどの被害を防ぐには、標高の高い土地であることが重要です。浸水の可能性が低いエリアであっても、土地の高さによっては雨が溜まりやすい場所もあるため、土地選びの段階から台風などの自然災害を意識して、条件のよい安全な土地を選ぶようにしましょう。

台風に強い構造になっている

一般住宅の構造はいくつかの種類がありますが、台風に強いのは「鉄筋コンクリート造(RC造)」です。台風被害が多い沖縄県では、建物の約8割に鉄筋コンクリート造(RC造)が採用されています。

鉄筋コンクリート造(RC造)とは、鉄筋を組んだ後に、コンクリートを流し込む構造です。重量があり強度が高く、外壁も強いため暴風による被害を受けにくいでしょう。また、土石流や洪水が発生した場合でも流されにくい耐久性があるため、大きな自然災害時でも建物が残りやすいです。

柱や梁で家を建てる構造とは別に「モノコック構造」という構造があります。モノコック構造は、航空機やレーシングカーなどに耐えられる工法として採用されていた構造です。 過酷な環境下でも耐えられる頑丈さが台風や地震に対しても有効だと考えられており、近年では住宅の工法としても取り入れられています。

モノコック構造の中でもとくに「2×4(ツーバーフォー)」と呼ばれる工法は、外側の建材に強度を増やし、柱や梁ではなく建物を一体の構造物として耐久性を保つことが可能です。2×4(ツーバーフォー)は台風による軸のゆがみ、揺れの影響を受けにくいため、多くの工務店や建築会社では台風や地震に強い工法として採用されています。

台風に強い屋根材を使っている

台風に強い屋根材を使っている

台風の雨風は建物の屋根に直撃するため、台風に強い屋根材を選ぶことで、台風対策の住宅になるでしょう。耐風・防水性能が高い屋根材を選ぶことで、台風でも吹き飛びにくく防災効果が高まります。

台風に強い屋根材は、防災瓦やガルバリウム鋼板、金属板、スレート屋根があります。防災瓦は、釘などで固定することで瓦同士の連結を強化している製品なため、耐久性・耐風性が強いです。

ガルバリウム鋼板は暴風に強く、さびにくい性質です。断熱効果がある鋼板なので、台風による飛来物の衝突やひび割れを防いでくれます。また、防水性にも優れた材質です。

金属板やスレート屋根は防水効果の高い素材で、強風に耐えられる構造になっているため、比較的台風に強いです。

ただし、台風に強い屋根材はメンテナンスをしなければ劣化が進んでしまいます。定期的な点検が必須となるでしょう。

防水性能が高い外壁を使っている

台風に強い住宅は、防水性能が高い外壁を使っています。台風対策には防水塗装をしているタイプの外壁材がおすすめです。高温で焼き固められたタイルであれば、暴風による飛来物の衝撃にも耐えられるでしょう。 ただし、シーリング材が使用されている外壁は、劣化して雨漏れしやすいです。定期的な点検やメンテナンスが必要になります。

外壁の耐久性を維持するためには10年に1回は防水のための外壁塗装工事を行いましょう。色合わせや変色、ひび割れ、カビやコケの発生、チョーキング現象などが見られる場合は、防水性が低下している可能性があります。 専門業者にメンテナンスを依頼するようにしましょう。

台風に強い住宅をつくる方法

日本各地を襲う台風は、人命や住宅に大きな被害をもたらします。台風による被害をできるだけ避けるためには、台風に強い住宅を建てることが重要です。台風に強い構造の家にするためには、土地選びや設計段階での対策が必要です。

この記事では、風害対策と水害対策を取り入れた台風に強い住宅のつくり方を紹介します。

風害への対策

風害への対策

台風による風害対策の住宅をつくるには、強風に耐えられる屋根材を使用します。屋根の下地にビスで固定できる屋根材であれば、強風にも耐えられるでしょう。丈夫で風圧に対して安定した性能を持つ屋根材を選びます。 また、風害対策のために屋根の形状も大切です。屋根勾配をつけずに平坦にした「陸屋根」が台風対策には向いています。

陸屋根であれば、風を受けたときに抵抗を受けて飛ばされるものがないため、強風を受け流すことが可能です。屋根を平坦にすると屋上として利用することもできるため、敷地が狭い場合などに向いています。 建物の形がシンプルな四角形であれば、風害を最小限に抑える事が可能です。4つの壁に均一に力が加わるため、風に対する抵抗力を獲得できるでしょう。複雑な形の住宅になると、バランスが崩れやすく、一部の壁や柱に負荷がかかりやすくなってしまいます。

台風の暴風による飛来物で窓ガラスが損壊しないように、窓ガラスにはシャッターを設置しておくと安心です。シャッターは外部の影響から窓を保護して、強風や飛来物から窓ガラスを守ってくれます。 一般的なシャッターであれば1200Paまでの負圧に耐えられる設計になっていますが、強風の地域ではさらに高い負圧に耐えられるシャッターを導入することもあります。

シャッターの設置のほか、窓ガラス自体を割れにくい強化ガラスにする場合もあるでしょう。強化ガラスやシャッターの導入は、台風時の安全性が向上し、住宅の耐風性もアップします。

水害への対策

水害への対策

台風による水害対策の住宅をつくるには、防水性能の優れた外壁材を使用しましょう。 外壁材によっては、大雨によって外壁の継ぎ目や窓との境目から浸水する危険性があります。外壁は台風による激しい雨風にさらされるため、外壁がしっかりと防水機能を備えていることが大切です。

防水性能のある外壁材は、窯業系・金属系サイディング、防水モルタル、タイルなどがあります。外壁材の素材によっては定期的な管理が欠かせないものもあるので、きちんとメンテナンスするようにしましょう。 一階部分を駐車場にすることで、浸水の被害に備えられるでしょう。住まいの地域が浸水した場合でも、一階を駐車場にしておけば二階と三階の居住スペースは浸水被害に遭いにくいです。

また、水害対策としてどこに家を建てるかが重要になります。浸水しづらいエリアを選択することで、浸水被害を最小限に抑えられるでしょう。

市町村が公表している水害ハザードマップや公共機関による調査結果などをチェックすれば、エリアごとに洪水や津波、高潮、土砂災害など災害の被災範囲を把握できます。浸水ハザードマップは台風など大雨が降ったときに浸水リスクが高い土地を確認することが可能です。

海や河川に近い土地はもちろん、下水道の排水能力を超えて浸水するリスクが高いエリアも記載されています。 浸水した場合に電気が使用できなくなると大変なので、電気設備は高所に設置します。分電盤など主要設備は部屋でも高い位置に設置し、室外の蓄電池の基礎もかさ上げすることで浸水リスクを下げられるでしょう。

ハザードマップで浸水予想が0.5mの土地であれば、基礎のかさ上げをすると浸水被害を避けられる可能性が高いです。

住宅と台風に関するQ&A

住宅と台風に関する悩みや疑問を抱えている人は多いでしょう。ここでは住宅と台風に関するQ&Aにお答えします。

木造住宅でも台風に強い?

木造住宅は、耐震性や耐風性に弱いというイメージが強く、台風対策の住宅とはあまり認識されていませんでした。しかし、最近では木造住宅も強度が高まり、台風に対しても強く、台風が頻繁に上陸する沖縄県でも、木造住宅は存在します。 木造住宅では土台や柱、梁などの接合部分には金者などを使って、強固に接合されている場合が多いです。そのため、地震や台風などの自然災害にも耐えられる建物が増えています。しっかりと施工を行った木造住宅であれば、強風によって家が飛ばされてしまう可能性も低いでしょう。

台風に強い構造と言えば鉄筋コンクリート造(RC造)が有名ですが、木造や鉄筋造、鉄筋コンクリート造(RC造)などどの構造で建てるかよりも、どんな素材を用いて、誰に家を建ててもらうかの方が重要です。 技術開発が進んでおり、工法や材料により住宅の強さは変化します。実績があり信頼のできる工務店や建築会社に依頼することが大切です。

台風の被害で火災保険は適用される?

台風で被害を受けた場合、火災保険が補償の対象になる場合があります。台風による被害と一言で言っても、大雨など水害による被害もあれば、暴風による風害を受ける場合もあります。 保険金を受け取るためには、それぞれに対応する補償が必要です。火災保険が適用されるかどうかは、加入している保険会社や保険商品によって異なるため、加入している火災保険を確認してみましょう。

火災保険の補償内容は?

台風によって住宅などに損害を受けた場合、火災保険で補償されるケースが多いです。台風による被害は、大雨など水で被害を受ける水害と、暴風など風によって被害を受ける風害に大別できます。 台風による豪雨が原因で起こる洪水や土砂崩れなどによって被害を受けた場合は水災として補償され、強風や暴風が原因の風による被害を受けた場合は風災として補償されます。

台風で堤防が決壊して床上浸水してしまった場合や、豪雨で裏山が崩れて土砂災害が発生し、住宅が損壊した場合、台風による高潮で床下浸水した場合などは水災に該当します。ただし、窓を開けたまま外出して室内が水浸しになった場合や、津波による浸水被害などは補償対象外です。

風災として補償される事例は、暴風による飛来物が住宅に衝突して損壊した場合や、暴風により屋根が剥がれた場合などがあります。ただし、構造上もとからあった建物のすき間からの吹込み損害や、暴風が原因でない飛来物による損壊などは補償対象外です。

そのほか、老朽化や経年劣化による損害も火災保険の補償対象外になります。保険金請求の時効は、事故が発生したときの翌日から3年となっています。3年を経過してから請求した場合も、火災保険では補償されないので早めに保険金請求をするようにしましょう。

マイホームを検討している方は、ハウスメーカーと工務店のどちらに依頼すればよいか悩むことがあるでしょう。この記事では、ハウスメーカーと工務店の違いを解説しています。さらに、メリット・デメリットや信頼できる業者を見つけるポイントについても取り上げていますので、ぜひご覧ください。

まとめ

台風による被害は風害や水害、土砂災害などさまざまな種類があります。住宅が台風の被害にあわないようにするためには、台風がくる前にきちんとした対策が必要です。家の外、家の中それぞれ対策することで、被害を最小限に抑えられます。

台風に強い住宅をつくるには、風害・水害それぞれへの対策を考慮した家づくりが大切です。家の構造や使用する材料などはもちろんですが、家を建てる土地も重要になります。ハザードマップなどを確認して、災害が起こりにくい土地に建てるとよいでしょう。

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採用しているFP軸組工法は、「FPウレタン断熱パネル」を高精度で組み込むことで、災害に強い優れた強度と安心構造を実現しました。

高性能住宅とフルオーダーの自由なデザイン設計を両立させており、快適な住み心地で、災害に強い安全性と新築時の性能がいつまでも続く経年劣化の少ない家を提供しています。災害に強い住宅をご検討の方は、ぜひ「FPの家」をご利用ください。