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木造住宅の耐用年数は?実際の寿命や伸ばすポイントを解説!

2024年11月26日

木造住宅の耐用年数は?実際の寿命や伸ばすポイントを解説!

木造住宅は、日本の気候に適した数々の特徴から、多くの方に選ばれる人気の建築様式です。木材は自然素材であるため経年劣化が避けられませんが、適切なメンテナンスを行えば、より長く快適に住むことも可能です。

そこで本記事では、木造住宅の耐用年数と実際の寿命、さらに寿命を延ばすためのメンテナンスのポイントについて詳しく解説します。木造住宅を長く快適に保つために、正しい知識を身につけましょう。

木造住宅の耐用年数は?

木造住宅の耐用年数が30年といわれる理由

木造住宅の耐用年数には、法定耐用年数・物理的耐用年数・経済的耐用年数・期待耐用年数があります。これらの耐用年数を理解することは、木造住宅の価値や寿命を見極め、長く快適に住み続けるために大切です。以下で詳しく解説します。

法定耐用年数

法定耐用年数とは、固定資産の減価償却費を計上できる会計上の期間のことを指します。これは、建物が使用できるかどうかにかかわらず、税法上で定められており、建物の構造によって異なることが特徴です。

>国税庁webサイトでは木造住宅の場合、法定耐用年数は22年とされています。 この年数は、会計上や税務上の目的で定められているもので、実際の建物の寿命を直接反映しているわけではありませんが、住宅ローンや資産運用の際に考慮されることが多い項目です。

参考 :国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

物理的耐用年数

物理的耐用年数とは、経年劣化や自然損耗、化学的要因などにより、建物が物理的に利用できなくなるまでの年数のことを指します。木材は時間が経つにつれて劣化しますが、近年の建築技術の進化により、木造住宅の物理的耐用年数は大幅に伸びています。

現代の木造住宅では、適切なメンテナンスを行うことで40〜50年程度の物理的耐用年数が期待できるでしょう。とくに耐久性のある素材の使用や、湿気対策、シロアリ対策などが寿命を大きく左右します。

経済的耐用年数

経済的耐用年数とは、物理的に建物が利用可能であっても、デザインや仕様が古くなり、住宅としての経済的価値がなくなるまでの年数のことを指します。

たとえば、住宅の外観や間取りが時代遅れになると市場価値が下がり、リフォームや建て替えの検討が必要になることがあります。このタイミングのことを経済的耐用年数と呼ぶのです。

なお、木造住宅の経済的耐用年数は、法定耐用年数を参考にした25年程度とされることが一般的です。 しかしこれは、住宅市場での需要や流行が影響するため、物理的な寿命とは必ずしも一致しないことに留意しましょう。

期待耐用年数

期待耐用年数は、通常の維持管理を行った場合に建物が使用可能な期間のことを指し、中古住宅の市場での需要喚起を目的としています。中古住宅の購入を検討する際、この期待耐用年数を知ることで、消費者はどれくらいの期間その住宅を安心して使えるかの目安をつかめます。

期待耐用年数は、構造躯体の性能によって大きく異なります。国土交通省発表の「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」によれば、木造住宅における期待耐用年数の目安は、以下のとおりとされています。

● フラット35基準程度:50~60年
● 劣化対策等級3:75~90年
● 長期優良住宅認定:100年超
参考 :国土交通省「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」

すなわち、長期使用に耐えうるよう構造躯体が工夫されており、リフォームや定期点検など適切なメンテナンスが行われている場合、木造住宅は非常に長期間快適に暮らすことのできるポテンシャルを持った建築仕様であるといえます。

以上のことから、木造住宅の耐用年数は、法律上の基準だけでなく、物理的な状態や経済的な価値、適切なメンテナンスによって大きく異なることがわかります。住宅の価値を最大限に引き出すためには、これらの耐用年数を理解し、適切な維持管理を行うことが不可欠です。

木造住宅の耐用年数が30年といわれる理由

一般論として「木造住宅の寿命は30年程度」といわれることがよくあります。しかし、ここまでお伝えしてきたとおり、木造住宅の寿命は必ずしも30年に限定されるものではありません。

事実として、築40年以上の木造住宅が賃貸物件として貸し出されることも多く、さらには築100年を超える木造住宅に居住している方も少なくありません。ここでは、木造住宅の寿命が30年といわれる理由について掘り下げていきましょう。

家族構成・ライフスタイルの変化があるから

要因のひとつとして、30年という年月を経るなかで、居住する人々の生活が変わっていくことが挙げられます。子どもが独立して夫婦2人の生活になったり、逆に家族が増えたりと、家族の人数や生活スタイルが当時と大きく変化しているケースも多いでしょう。

そうした場合、現在のライフスタイルに沿うようリフォームやリノベーションを行うことも可能ですが、住宅の構造によっては難しい場合もあります。そのようなとき、リフォームよりも新築を選ぶ方も少なくありません。

住宅設備の寿命が30年程度だから

住宅設備の寿命が30年程度とされることも大きな要因です。キッチンやトイレ、ユニットバスなど、日常的に使用する住宅設備には寿命があり、一般的に10~20年が交換の目安とされています。

もちろん、設備を丁寧に使用することで30年程度使い続けることも可能です。しかし、30年も経過すると多くの設備の老朽化が進み、交換が必要になるでしょう。 住宅の構造躯体そのものは引き続き使用できる状態であっても、設備の寿命を迎えたことをきっかけに、全面的な建て替えを選択する方も少なくないのです。

住宅ローンが最長35年だから

住宅ローンの返済期間も影響を与えています。住宅ローンの最長返済期間は35年と定められており、多くの方が30〜35年をかけて住宅ローンを返済します。

返済が終わる頃には、住宅が築30年以上経過していることが多く、設備や建物自体の老朽化が進んでいるため、リフォームではなく新しい家を購入することを選ぶ方も多いのです。

耐震工事が難しいから

耐震工事の問題も木造住宅の寿命に影響を与えます。1981年6月1日、建築基準法で定められている耐震基準が大きく改定 されたことから、それ以前に建てられた住宅は現在の基準に適合していないことも多いのです。

しかし、耐震改修工事は大規模かつ費用がかかるため、コストを比較したときに新築に建て替える選択をする人も少なくありません。自治体の補助金を利用して耐震工事を行うことも可能ですが、適用条件が厳しい場合があるため、条件を満たせずに、建て替えを選ぶケースも多いのです。

「木造住宅の寿命が30年程度」といわれる背景には、このようにライフスタイルの変化や設備の寿命、住宅ローンの満期、さらには耐震工事の必要性といった要因が複雑に絡み合っています。

ただし、これらの要因を適切に解決することができれば、木造住宅は30年以上住み続けることが十分に可能です。

木造住宅の寿命を延ばす ポイントは?

木造住宅の寿命を延ばすためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。ここでは、それぞれのポイントについて詳しく説明します。

定期的にメンテナンスする

木造住宅の寿命を延ばすために最も基本的なことは、定期的なメンテナンスを行うことです。どれだけ耐久性の高い素材を使い、設計に沿って正確に建築しても、経年劣化を避けることはできません。

とくに家の重要な構造部分である床下基礎の劣化には、細心の注意を払う必要があるでしょう。床下は湿気がたまりやすい場所であり、害虫やシロアリなどの被害も出やすい部分です。

なお、現在でも昭和初期に建てられた木造住宅に住み続けているケースは少なくないですが、その多くは適切なメンテナンスを行っているからこそといえるでしょう。逆にメンテナンスを怠ると、家の寿命が縮まることは避けられません。

よって、建物の寿命を延ばすには、定期的なチェックと修繕が非常に大切です。専門家による定期点検を受け、初期段階でトラブルを発見し、速やかに対策を講じてください。

建物の素材・工法を選ぶ

木造住宅の寿命を延ばすためには、どのような素材や工法で建てられているかも重要な要素です。安価な素材や施工方法を選ぶと、劣化が早まり、頻繁に修理が必要になるため、結果的にコストがかさんでしまう可能性があります。

一方で、耐久性の高い素材や技術を用いた家は、長期にわたり安全かつ快適に住み続けられるでしょう。木造住宅の躯体に使用される木材が強固であれば、住宅の寿命は大幅に延び、80年以上住むことも可能です。

近年では、建築技術の進化によって100年住める木造住宅も登場しており、長期間にわたって快適な生活を送るための選択肢が広がっています。

断熱性・耐震性に優れた家を建てる

断熱性・耐震性に優れた家を建てる

木造住宅の寿命を延ばすために欠かせないのが、断熱性と耐震性の向上です。日本は湿気が多い気候であるため、木造住宅は湿気による劣化や結露が大きな問題となりがちです。

これを防ぐためには、断熱性を高め、外部からの湿気や温度差を遮断することが重要です。サッシや窓ガラス、床材、天井に断熱材を使用することで、家全体の断熱性能を向上させることができます。

「FPの家」 では、断熱性能に優れた「FPウレタン断熱パネル」を使用しています。

素材として使用されている硬質ウレタンフォームは水や湿気を通さないため、長期間にわたり高い断熱効果を発揮します。さらに、外壁下地の内側に通気層を設けることで、湿気がたまるのを防ぎ、住宅の劣化を抑えられることから、経年による品質の劣化もほぼない高性能の証として、パネルの素材内部について「無結露50年保証」をお約束。

また、地震の多い日本では、耐震性も住宅の寿命に大きく影響します。耐震性が低い住宅は、地震によって大きなダメージを受ける可能性が高いためです。十分に基礎や壁の補強を行うなど、耐震性能を向上させることによって、住宅の寿命を大きく延ばせるでしょう。

木造住宅を建てる前に地盤を確認しておく

住宅を建てる際には、構造やデザインにこだわることも大切ですが、その前に必ず確認すべきなのが地盤の状態です。

日本のように地震の多い地域では、軟弱な地盤が住宅の寿命に大きく影響を与える可能性があります。もし地盤が弱ければ、建物が徐々に傾くほか、沈下するリスクが高まってしまうでしょう。また、地震災害時には倒壊の危険も増します。

建築後に手を加える方法では、地盤そのものの弱さを完全に克服することは困難です。そのため、建設前の地盤調査が非常に重要となります。地盤調査を行うことで、その土地が住宅を建てるのに適しているかを確認できます。

調査結果によっては、地盤改良工事が必要になることもあるでしょう。杭を打つなどの地盤補強工事を行うことで、後に建てる住宅を長期間安定させることにもつながります。

定期的に水回りの点検・清掃をする

定期的に水回りの点検・清掃をする

木造住宅にとって、水回りは劣化が進みやすい部分のひとつです。キッチンやトイレ、バスルームといった水回りは、日常的に大量の水を使用するため、経年劣化による水漏れや配管の破損が起こりやすくなります。

このような水漏れや浸水が建物の構造部分にまで影響を及ぼすと、木材が腐食しやすくなり、結果的に住宅の寿命を大幅に縮めてしまうことがあります。湿気が木材に浸透することで、カビやシロアリの発生を引き起こす可能性もあるでしょう。

これを防止するには、定期的な点検と清掃が不可欠です。水栓や配管は、5年ごとに点検し、20年を目安に交換することが推奨されています。

また、普段の掃除の際には、水漏れや排水管からの異臭などの異常がないかをチェックすることも重要です。こまめに掃除をすることで、普段は気付かない小さな異常に気付きやすくなるでしょう。

ホームインスペクションを行う

住宅の劣化や異常は、必ずしも目に見える部分だけに発生するわけではありません。床下や天井裏、壁の内部といった、自分では確認しづらい箇所に劣化が進んでいることも多いです。

こうした部分を適切にチェックし、住宅の状態を正確に把握するためには、プロの力を借りることが効果的でしょう。そこで注目されるのが「ホームインスペクション(住宅診断)」です。

ホームインスペクションでは、専門家が住宅の構造や設備を詳細に調査し、見落としがちな異常を発見してくれます。床下に潜んでいるシロアリ被害や、目に見えないところで進行している湿気による木材の腐食など、素人では気付きにくい問題を特定することが可能です。

診断を依頼することで、将来的に発生する可能性のあるリスクを事前に把握し、必要なメンテナンスや修繕を早期に行えます。

ホームインスペクションの費用は、診断内容や住宅の規模によって異なりますが、定期メンテナンスでは不十分と感じる場合や、長期的に住宅を守るためには、こうしたサービスの利用を検討する価値があります。

専門家による診断を受けることで、見落としがちな箇所を的確に補修し、住宅の寿命を延ばすための具体的なアドバイスを得られるでしょう。

寿命がきたらリフォーム・建て替えの検討をする

寿命がきたらリフォーム・建て替えの検討をする

木造住宅が寿命を迎え、これ以上この家で暮らし続けるのは難しいと判断した場合、リフォームか建て替えのどちらかを選ぶ必要があるでしょう。

まず、コストを重視するのであれば、リフォームがもっとも現実的な選択肢となります。リフォームは建物の一部を補修・改装するため、工事範囲が限定され、工期も短く、費用も抑えられる点が魅力です。

外装や内装、水回りなどの部分的なリフォームであれば、家に住み続けながら工事を進めることも可能です。日常生活に大きな支障をきたすことなく住み続けられるのは、大きなメリットといえるでしょう。

一方で、建物の構造そのものに問題がある場合は、リフォームだけでは対応できないことがあります。具体的には、耐震性の不足や、基礎部分での重大な劣化が見つかった場合です。このような場合には、コストと効果を天秤にかけ、建て替えを選ぶことが賢明です。

建て替えの最大の魅力は、完全に自由な設計が可能なことです。家族のライフスタイルや将来のニーズに合わせて間取りをゼロから考え直せるほか、現状の不満点をほぼすべて解消できるでしょう。

また、最新の省エネ設備や耐震技術を導入することも可能で、将来にわたって安心して暮らせる住まいを手に入れられます。

ただし、建て替えはリフォームに比べてコストがかかることが多く、工事期間も長くなることが一般的です。そのため、予算と相談しながら慎重に判断しましょう。

こちらの記事では、住宅の断熱等級について解説しています。等級ごとの違いや高い住宅のメリットも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

今回は、木造住宅の耐用年数や実際の寿命、そして寿命を延ばすためのポイントについて解説しました。木造住宅の法定耐用年数は22年ですが、実際の寿命はそれより長いといわれており、メンテナンスや素材選び、施工技術によっても大きく変わります。

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また、経年劣化に強く、いつまでも丈夫で省エネ性の高い家づくりを実現できるのが「FPの家」です。将来的にリフォームを考えるときも、地域に根差した工務店であればこそ、適切な提案を受けられます。

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