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住まいのコラム

2025年7月2日

玄関ポーチとは?役割や押さえるべきポイントなどを解説

玄関ポーチとは、住宅の入り口に設けられた屋根付きの空間で、屋外と屋内を緩やかにつなぐ役割を果たします。雨風をしのぎつつ、訪れる人を迎える場所として、住まいのデザインでも欠かせない存在です。

使い勝手と見た目の美しさを両立させるためには、目的に応じた設計が重要となります。本記事では、玄関ポーチの基本的な役割と、設計時に押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。

玄関ポーチとは

玄関ポーチは、玄関扉の外側に設けられた屋根付きのスペースで、出入りの際の動作をサポートする役割を果たします。屋根や庇(ひさし)によって雨をしのげるほか、荷物の仮置きや来客対応など、日常生活の利便性を高める機能もあります。

似た言葉に「玄関アプローチ」がありますが、これは門から玄関までの通路部分を指し、一般的には建築面積には含まれず、外構工事として扱われます。玄関ポーチとアプローチを一体的に設計することで、外観に統一感が生まれ、動線のスムーズさや使いやすさも向上します。

玄関ポーチの役割

玄関ポーチには、住宅の機能性と快適性を高めるさまざまな役割があります。ここでは、玄関ポーチの具体的な役割を紹介します。

雨や雪をしのぐ

雨や雪の日に荷物を持ちながら傘を差し、玄関のカギを開け閉めするのは手間がかかります。そんなとき、玄関ポーチに屋根や庇があれば、傘を閉じた状態でも濡れずスムーズに出入りが可能です。

また、荷物の一時置き場や来客時の待機スペースとしても活用できるため、日常のちょっとしたシーンで便利に使える空間です。

玄関周りにある設備や建材の劣化を抑える

屋根や庇のある玄関ポーチは、雨風や強い日差しからポストや設備などの建材を守ります。直射日光による紫外線の影響が軽減されることで、ポストや建材の色あせ、劣化を防ぎ、玄関周りの印象を良好に保てます。

その結果、玄関の美観を長く保てるだけでなく、メンテナンスの手間も軽減できます。

外観の印象がよくなる

玄関ポーチに玄関扉や庇を組み合わせると、外観デザインに変化を加えられるため、印象的な外観づくりに効果的です。外壁の色と調和させて全体に統一感を持たせたり、ポーチ部分にアクセントカラーを使ったりすることで、印象的でおしゃれな外観に仕上がります。

また、家族構成や生活動線に合わせて玄関の使い勝手を向上させたい場合は「ファミリー玄関」という選択肢もあります。

こちらの記事では、ファミリー玄関について解説しています。 設計する際のコツや事例も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

玄関ポーチを設置する際に押さえるべきポイント

玄関ポーチは住まいの第一印象を決める重要な空間であり、日々の快適な生活にも深く関わります。そのため、設計時には見た目の美しさだけでなく、機能性や使いやすさにも配慮しましょう。

ここでは、玄関ポーチを設ける際に押さえておきたい基本的なポイントを紹介します。

広さ

玄関ポーチは家族や来客の出入りが集中する場所です。家族が同時に外出する場合や、宅配便の受け取りといった複数人が立つ機会も少なくありません。スペースが狭いと動きづらく、不便を感じやすくなります。

とくに、外開きの玄関ドアの場合、スペースが足りないと、扉を開けたときに外へ押し出されるような形になる場合もあります。2~3人がゆとりを持って立てる広さを確保すれば、出入りがスムーズです

屋根(庇)

屋根(庇)

ブラックコーディネートの家 (株)ライフ・コア デザインオフィス

屋根や庇は、雨や雪、直射日光を防ぐ役割を果たします。ただし、サイズが小さすぎるとその効果を十分に発揮できません。傘を差したりたたんだりできる範囲を覆えるサイズが理想です。

また、デザイン性だけでなく、メンテナンスのしやすさも意識して選びましょう。たとえば、2階から手が届かない位置にある場合は、掃除のたびにハシゴが必要になることもあります。傾斜のある屋根を選べば、雨水が溜まりにくく、見た目とお手入れのしやすさを両立できます。

街中の間口6.7mの狭小地ながら、 工夫で快適な室内空間を実現した事例「ブラックコーディネートの家」はこちらから!

床材

玄関ポーチには屋根があるものの、雨が横から吹き込んだり、濡れた靴で床が滑りやすくなったりするケースがあります。滑りやすい素材を使うと転倒の危険があるため、滑りにくい素材を選びましょう。

とくに、雨の日は子どもを抱えていたり荷物を持っていたりと、動きが慌ただしくなりがちです。安心して使える床材を選べば、事故のリスクを減らせます。

加えて、床材は耐久性だけでなく、汚れにくさや掃除のしやすさも大切なポイントです。手入れしやすい素材であれば、掃除の負担が減り、家事や育児に集中しやすい環境がつくれます。

さらに、玄関の機能性や印象を左右する要素として「上がり框(あがりかまち)」の選び方も重要です。段差の高さや素材によって、使いやすさやデザイン性が大きく変わります。

こちらの記事では、上がり框について解説しています。 役割や選び方も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

照明

玄関ポーチの照明は、空間をおしゃれに演出するだけでなく、安全性や防犯性を高めるうえでも重要な役割を果たします。とくに人感センサー付きのライトを設置すれば、夜間に人の動きを感知して自動で点灯し、不審者の侵入抑止にもつながります。

また、省エネ性を重視するなら「LEDタイプ」がおすすめです。消費電力を抑えながら長寿命で、ランニングコストの削減にも効果的です。見た目のデザインだけでなく、機能面や経済性にも配慮した照明選びがポイントです。

玄関ドア

日本の住まいは「外開き」の玄関ドアが一般的です。これは、玄関で靴を脱ぐ習慣があるため、内開きにすると室内スペースが狭くなり、動線を圧迫してしまうおそれがあるためです。

また、引き戸は開閉がスムーズで使いやすい選択肢ですが、横にスライドさせるための十分な間口が必要となるため、敷地に余裕がある住宅向きといえます。住宅の広さや使い勝手に応じて、最適なドアタイプを選ぶことが大切です。

新築玄関ポーチの事例2選

実際に、玄関ポーチを取り入れるとどのような見た目や設計になるのか気になる方も多いでしょう。ここでは「FPの家」が手掛けた玄関ポーチの事例を紹介します。

異なる高さをカバーする玄関ポーチ

異なる高さをカバーする玄関ポーチ

スキップ玄関の家 (株)益岡工務店

高低差のある2つの道路から、どちらからでもスムーズにアクセスできるように設計された新築住宅の事例です。

1.5階分の高さを活かした高天井と、視線が抜ける開放感が魅力で、段差を取り込んだ立体的な構成でありながら、すっきりとしたスタイリッシュな印象に仕上がっています。使い勝手のよさとデザイン性を両立した、玄関ポーチ設計の好例といえるでしょう。

高低差のある2つの道路から快適に出入りできる「スキップ玄関の家」の事例はこちらから!

ナチュラルテイストな和風玄関ポーチ

ナチュラルテイストな和風玄関ポーチ

和のナチュラル住宅 (株)田中組

白い外壁に映える赤いポストがアクセントになった、和風テイストの玄関ポーチです。無垢材の柱や、木目調の軒裏材を取り入れることで、木造住宅ならではのぬくもりと落ち着きを表現しています。

玄関までの高低差も自然に取り入れながら、素材選びや色味に統一感を持たせたことで、落ち着いた和のイメージの住まいに仕上がっています。外観の美しさと、訪れる人がほっとできるような居心地のよさを両立した、和風玄関ポーチです。

黒を基調とし、落ち着いた和をイメージした「和のナチュラル住宅」の事例はこちらから!

まとめ

玄関ポーチは、住宅の第一印象を決める大切な空間です。雨風を防ぎ、来客を迎える場として、日々の快適な暮らしにも大きく関わります。設計時は、広さや屋根の形状、床材、照明などの要素をバランスよく検討すると、機能的で美しい玄関まわりに仕上がります。

「FPの家」は、高性能な住宅性能と自由なデザインを両立できる柔軟な住まいです。地域の気候や風土に精通した「FPの家」加盟工務店が、豊富な知識と確かな技術を活かして、お客様の理想に寄り添った提案を行っています。

デザイン性と暮らしやすさを兼ね備えたマイホームづくりをご検討中の方は、ぜひ全国の「FPの家」ビルダーにご相談ください。

「FPの家」カタログ・資料請求は、こちらからお気軽にお問い合わせください。