お役立ち情報

住まいのコラム

2024年11月26日

気密性能は必要?C値や性能に優れた住宅の強みを解説

家を建てるからには、できるだけ暮らしやすい住宅にしたいものです。生活しやすい家づくりのうえでは気密性能が重要になりますが、気密性能とは何か、なぜ重要なのかご存知でしょうか。

今回は、気密性能の基本的な知識をはじめ、気密性能の高い住宅を建てるメリットや気密性能に優れた住宅を実現するポイントについて解説します。

興味を持った方は、ぜひ最後までご覧ください。

気密性能とは

気密性能とは、住宅の隙間の小ささを表す性能値のことです。日本の伝統的な家屋は、隙間がわざと設けられているケースも少なくありません。これは日本の四季のなかでも、高温多湿の夏場に快適に過ごしやすいようにするためです。

しかし、現代ではエアコンに代表される冷暖房器具が発達し、わざわざ夏に焦点を当てた住宅を建てる必要がなくなりました。その代わりに重視されるようになったのが、気密性です。

気密性が高い住宅は、一般的な住宅よりも熱の出入りが少ないため、室温や湿度を維持しやすくなります。室温を一定に保てるようになれば、その分冷暖房器具を使用する機会も減るため、電気代やガス代の節約にもなり、住宅の寿命も延ばすことが可能です。

気密等級の種類

気密性能について考えるとき「気密等級(A-1〜A-4)」という言葉を目にすることがあります。ただし、最初に押さえておきたいのは、気密等級は住宅全体の気密性能を示す指標ではないという点です。

気密等級は主に、ドアやサッシなど開口部の部の漏気のしにくさを比較するための目安として用いられます。

住宅の気密性能を大きく左右するのは、現場での気密施工(隙間処理やシーリング、貫通部処理など)の精度です。たとえ高い等級の部材を採用しても、施工が不十分なら隙間は増え、期待した性能は得られません。

施工が丁寧であれば、部材選定の効果も活きてきます。そのため、気密等級は「等級が高い=家の気密が高い」と短絡的に捉えず、施工品質や住宅全体の気密指標(例:C値)とセットで考えることが重要です。

気密等級(A-1〜A-4)の目安

気密等級はJIS規格で定められており、一定の圧力差をかけたときに部材の隙間からどれだけ空気が漏れるかで区分されます。A-1が低く、A-4が高い等級です。 実務上は、次のようなざっくりしたイメージで捉えると混乱しにくいでしょう。

・A-1:気密性は低め。強い気密性を求めない用途で選ばれることがある
・A-2:標準的なランク。コストと性能のバランスを取りやすい
・A-3:より隙間が少ない部材。高断熱住宅などで選ばれやすい
・A-4:最も気密性が高い部材。外気影響を抑えやすいが、換気計画と施工がより重要

気密等級はあくまで部材の性能目安であり、住宅そのものの気密性能とイコールではありません。 家としての気密性能を高めるには、気密等級だけでなく、次の点をあわせて確認することが大切です。

・気密施工が適切にできているか(気密ラインが途切れていないか/隙間処理・貫通部処理が丁寧か)
・住宅全体の気密性能を数値で確認できるか(例:C値)
・換気計画が成立しているか(高気密ほど計画換気の重要性が増す/給気・排気バランスの確認)

このように、気密等級は「部材選びの参考」にはなりますが、最終的な性能は施工と住宅全体の評価で決まります。

気密性能を表すC値とは

ドアやサッシなど、開口部の気密性は気密等級で判断できますが、住宅全体の気密性は「C値」で表します。C値とは、相当隙間面積のことで、C値が小さいほど住宅の隙間が少ない、つまり気密性が高いことを示しています。

以下では、C値の基準や計算方法、そして測定方法に関する詳細について解説します。

基準

以前は国により基準が定められていましたが、2009年の省エネ改正法によりこの基準はなくなりました。

「FPの家」では工事完了後、お引き渡しの前に一棟ずつ気密測定を実施。相当隙間面積(C値)の基準値は1㎠/㎡以下に設定しています。

計算方法

C値は、建物の床面積平方メートルあたりに、どの程度の隙間面積があるかを示します。そんなC値を求めるための計算式は、以下のとおりです。

家全体の総隙間面積(平方センチメートル)÷床面積(平方メートル)=C値

総隙間面積とは、窓やドア、壁などに存在する小さな隙間の合計面積のことです。たとえば、床面積200平方メートルの建物でC値が5.0の場合、その建物全体の隙間は1000平方センチメートルとなります。

測定方法

上記ではC値の計算方法を紹介しましたが、現実のC値を紙面上の計算だけで正確に導き出すのは困難です。正確なC値を出したい場合は、気密測定を行います。

気密測定とは、住宅内に存在する隙間の量を評価する試験です。気密測定は、気密測定器と呼ばれる専用の機器を利用して実施します。測定の結果次第で改修も必要になるため、断熱施工や気密施工が終了したタイミングで行うのが一般的です。

以下は、具体的な試験の手順になります。

1.換気口への目張り
2.気密測定の実施
3.結果の確認

目張りが完了してから、気密測定用の機械を稼働させ、屋外に向かって空気を送り出します。このとき発生する、屋内外の気圧の差を計測することで、正確なC値の算出が可能です。

たとえば、隙間が少なければ屋内に入ってくる空気の量は少なくなるため、屋内の気圧は下がっていきます。

気密性能に優れた住宅の強み

昨今は住宅性能の高さを重視する方も増えており、気密性も住宅性能を決定する要素のひとつです。

以下では、気密性を高めることで、具体的にどのような利点が得られるかについて解説します。

快適な室内環境を保てる

気密性能に優れた住宅の利点として、快適な室内環境を保てることが挙げられます。普段過ごす場所を快適な環境に整えるのは、生活の質を高めるためにも必須です。

とくに、室温と湿度には気を配る必要があります。

しかし、住宅の気密性が低い場合、室温と湿度を一定に保つのは困難です。どれだけ冷暖房を使用して快適な室温、湿度を維持しようとしても、隙間から屋内外の空気が激しく入れ替わってしまっては、意味がありません。

気密性の高い住宅であれば、隙間から空気が漏れないため、快適な室温と湿度が保てます。

省エネ効果がある

気密性の高い住宅には、省エネ効果もあります。省エネに対する意識の高まりに影響を与えているのが、ここ数年の日本における電気代の高騰です。

電気代が高騰した原因として、化石燃料の価格の上昇が挙げられます。現代において、電気は必需品といっても過言ではありません。そんな電気を生み出す方法ですが、日本では石油をはじめとする化石燃料を燃やして発電する火力発電の割合が、72.8% を占めていると言いわれています。

しかし、原油価格の高騰や円安の影響によって化石燃料の輸入コストが上昇してしまい、結果的に電気代も高騰しました。

解決策として、2024年現在は原子力発電所の一部が再稼働・または再稼働予定とされていますが、2011年に発生した福島第一原発のメルトダウンのイメージが払拭できず、再稼働に対して不安感を抱く方も少なくないでしょう。

そんなとき、気密性が高い住宅であれば最小限の冷暖房の稼働で十分快適な室温を保てるため、エネルギーを節約できます。気密性の高い住宅は、家計にも環境にも優しい存在といえるでしょう。

健康的に生活できる

健康的に生活ができる点も、強みのひとつです。気密性が低い住宅において、屋内の温度を一定に保つのは簡単ではありません。

そのため、ヒートショックが発生するリスクが高まります。 ヒートショックとは、急激な温度変化によって身体がダメージを受けることです。寒暖差の激しい場所を移動すると、血圧の急上昇と急降下が発生します。

血圧の変動は心臓に大きな負担をかけるため、ヒートショックが発生すると心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす可能性が高いです。

とくに浴室でヒートショックが発生すると、溺死するリスクも高まるため、さらに危険度は上昇します。 気密性の高い住宅であれば、部屋の快適な温度を外に逃がさず、また、花粉やPM2.5など身体に悪影響を与える物質の侵入も防ぎやすいため、健康的に生活ができるでしょう。

住宅の耐久性が向上する

気密性の確保に成功すれば、住宅の耐久性の向上も期待できます。空気の出入りが頻繁に発生すると、結露が発生しやすいです。 結露には、壁の表面に発生する外部結露と、壁のなかや天井裏などで発生する内部結露の2種類が存在します。

外部結露は目視で結露の発生場所がわかるため、すぐに乾いた雑巾やタオルなどで拭き取ってしまえば、大した問題にはなりません。

しかし、内部結露は発生してもわかりにくいため、気がついたときには家のいたる場所が水滴まみれになっていたという事態になる可能性もあります。結露はさまざまな問題を住宅にもたらしますが、とくに深刻なのはカビの発生と建材の腐食です。

カビの発生は住宅環境を悪化させ、建材の腐食は住宅寿命を縮め、資産価値を著しく低下させます。気密性を向上させ、室温と湿度のコントロールができれば、結露の発生を抑制し、住宅の耐久性を損なわずにすむでしょう。

防音効果が向上する

気密性が高い住宅は、窓やドアまわりの隙間が少ないため、外からの騒音が入りにくく、室内の音も漏れにくくなります。音は空気の振動として伝わるため、わずかな隙間があるだけでも音が出入りしやすくなるのです。

気密性能を高めることで、車の走行音や雨音、近隣の生活音が気になりにくくなり、落ち着いた住環境につながります。夜にテレビや音楽を楽しむときも、音漏れの心配が減るでしょう。

さらに気密性の高い住宅では、壁や天井にしっかりと断熱材が敷き詰められているため、音を吸収する効果も期待できます。

ただし、防音性は気密性だけで決まるわけではありません。吹き抜けのある間取りでは音が広がりやすかったり、換気口から音が入り込むこともあります。窓の性能や構造も含めて総合的に考えることが大切です。

床や足元の空気が冷えにくくなる

気密性が高い住宅では、隙間風が入りにくいため、床や足元が冷えにくくなる傾向があります。暖かい空気も逃げにくくなるため、暖房効率が高まり、足元まで暖かさを感じやすくなります。

一方で気密性が低い家では、床まわりから冷たい空気が入り込みやすく「頭は暖かいのに足元だけ寒い」といった温度ムラが起こりやすいです。冷たい空気は床付近にたまりやすく、底冷えの原因になります。

気密性の高い住まいなら室内の空気が安定し、冬の朝や廊下でも冷えの不快感が軽減されるでしょう。ただし足元の暖かさは、床の断熱性能や換気計画にも左右されるため、気密性は断熱とセットで考えることが大切です。

気密性能に優れた住宅を建てるには

気密性を確保した住宅を実現するためには、いくつか押さえるべきポイントが存在します。具体的なポイントを以下で取り上げるため、住宅を建てる際は参考にしてください。

隙間が生じないように施工する

気密性の高い住宅を建てるにあたって、隙間が生じないように施工しましょう。どれだけ高性能の断熱材や換気システムを導入しても、隙間が存在していると十分その性能を発揮できません。

そのため、寸法に誤差がない建材を使用する、断熱材の継ぎ目に気密テープや防湿気密シートを用いるなど、施工の段階で隙間が発生しないようにすることが求められます。

とくに、隙間が発生しやすい屋根や外壁、床などは注意が必要です。そして、必ず気密測定を実施しましょう。

樹脂サッシを採用する

気密性を向上させたい方は、樹脂サッシの導入も検討しましょう。空気の50〜70% は、窓から出入りしているといわれています。そのため、窓選びは住宅の気密性を決定する重要なポイントです。

アルミサッシが採用されているケースもありますが、アルミは熱伝導性が高く、夏場は屋内が暑く、そして冬場は寒くなりやすいです。結果、結露が発生しやすく、住宅に深刻なダメージを与える可能性があります。

一方の樹脂サッシは、アルミと比較すると熱伝導性が低いです。また、四方を溶着で接合するため、フレームに隙間ができず、気密性を確保できます。

製品によっては掃除をしやすいデザインになっている場合もあるため、気密性を高めたい場合は樹脂サッシを採用しましょう。

複層ガラスを採用する

住宅性能を高めたい場合は、複層ガラスの導入も検討しましょう。複層ガラスとは、読んで字のごとく複数のガラスで構成された窓ガラスのことです。

ガラスとガラスの間には空間があり、空間にはアルゴンガスをはじめとする熱伝導率の低いガスが封入されているものもあれば、より熱の移動を防ぐために真空にしているものもあります。

そんな複層ガラスの強みは、通常の窓ガラスよりも断熱効果が高い点です。熱の移動が発生しにくいため、省エネ効果が上昇するほか、結露の発生も抑制してくれます。

その分値段は高額ですが、金額に見合うだけの満足度を提供してくれるでしょう。

高気密住宅が強みの工務店や建築会社に依頼する

住宅性能の高い住宅を建てたい場合は、経験豊富な工務店や建築会社に依頼しましょう。 気密性を確保するにあたっては、施工のノウハウや適切な検査方法の知識などが必要です。

しかし、工務店や建築会社によって得意分野は異なっており、気密性の高い住宅を建築する技術や経験が不足しているケースも珍しくありません。

高気密住宅のノウハウも実績も豊富な建築会社を探している場合は、家づくりに関する情報も多数取り扱っている「FPの家」をご活用ください。

地域に根差した家づくりを得意とする全国の工務店情報や、住宅見学会など各種イベント情報を掲載しています。

工務店や建築会社の選び方

理想の住宅を実現するにあたって、工務店や建築会社の選び方は重要です。以下では、信頼できる工務店や建築会社の選定方法について解説します。

住宅を建てたあとも安心して暮らし続けるためにも、ぜひ最後までご覧ください。

実績の有無を確認する

工務店や建築会社を選ぶ際は、最初に施工実績を確認しましょう。施工実績によって、その会社に所属している職人の力量や、得意分野がわかります。

施工実績を調べるときは、工務店や建築会社の公式サイトやパンフレットをチェックしましょう。

施工実績として掲載されている住宅の写真を見ただけでは判断が難しいことのほうが多いです。必要に応じて直接工務店や建築会社の担当者に疑問点について質問をしましょう。

真摯に、そしてわかりやすく質問に答えてくれる工務店や建築会社は信用できます。

アフターサービスの内容を確認する

工務店や建築会社が提供しているアフターサービスの内容もチェックしましょう。完成した住宅で長期間暮らすためには、メンテナンスが必要不可欠です。

工務店や建築会社によっては、定期的な無料点検や24時間電話対応などのアフターサービスが用意されています。アフターサービスの内容が充実していれば、安心して生活ができるでしょう。

建てる地域に詳しいか確認する

建築予定エリアの知識を十分に持った工務店や建築会社がおすすめです。家を建てるにあたって、周辺エリアがどのような気候条件なのか、またどのような特徴を持った土地なのか知ることは非常に重要です。 建築予定地周辺のエリアに詳しい工務店や建築会社であれば、その地域に適した建物の施工のノウハウを有しているため、より暮らしやすい住宅を実現できるでしょう。

まとめ

以上、気密性能の基本情報をはじめ、C値の測定方法や気密性を高めるポイントなどについて取り上げてきました。住宅の気密性を高めることで、省エネ効果や住宅の資産価値の低下を抑えられるなど、さまざまなメリットが得られます。

しかし、気密性の高い住宅を建てるためには、相応の施工技術とノウハウが必要です。そのため、依頼先の工務店や建築会社は、慎重に選定しなければなりません。

気密性の高い家づくりを得意とする工務店や建築会社をお探しの方は、ぜひ「FPの家」を利用してください。

「FPの家」には、さまざまな工務店や建築会社が登録しているため、必ず理想の家づくりを行ってくれる最良のパートナーに出会えます。

動画などでもルームツアーや検証動画を多数公開しているため、興味を持った方は、ぜひ一度ご覧ください。